村田ヘッドの現役時代を思い出させる巨人・小林誠の成長

2016年04月06日 10時00分

成長著しい小林(右)はエース菅野も“操縦”できるようになってきた

【赤坂英一「赤ペン!」】巨人の正捕手に座った小林誠の成長に、秦三軍バッテリーコーチが目を細めている。昨年の1年間、一軍で手取り足取りしてきた愛弟子だけに、「もともと一軍でも通用する力を持っていた選手なんですよ。今年は出足がよかったから、もっと自信を持ってプレーしてほしい」とこう言った。

 

「去年は阿部が捕手から一塁に回り、小林は開幕から正捕手を任された。あれでビビっちゃったんでしょう。だけど、盗塁阻止率(4割3分8厘)は捕手の中でも一番高かった。今年は阿部が二軍落ちしてるから、何かと比べられることもない。ノビノビとやって、自分らしさを出せば、正捕手に定着できるはずです」

 

 生来、アピールが苦手な性格なのか、昨オフの契約更改ではわずか100万円増の2600万円であっさり陥落した小林。「おまえの働きはそんなもんじゃなかっただろ。もっと上げてもらえよ」と、秦コーチがハッパをかけたこともあった。

 

 その指導のかいあってか、今季の小林はリードでも自分の意見を主張。菅野、マシソンらに首を振られてもしつこく自分の選んだ球種のサインを出し、投手陣や首脳陣を驚かせるようになった。

 

 課題だった打撃面でも成長の跡が見られる。「小林はうまく打つようになった」と一軍の内田打撃コーチが言うのだ。

 

「開幕戦(3月25日、ヤクルト戦)で右中間へ2点タイムリーを打ったでしょう。内角に入ってきた球に、コンパクトなスイングできっちりおっつけていたよね。ぼくはキャンプ中から、内角を攻められたら引っ張ろうとせずおっつけろ、そのほうが相手投手はイヤなもんなんだとずっと言ってるんだ。センターから反対方向の45度を使いなさい、と。それが一番うまくできたのが、開幕戦の小林の打撃だった」

 

 そんな話を聞いていて思い出すのは、故藤田監督が指揮を執った1989~90年、正捕手へとのし上がった村田真一ヘッドコーチの現役時代だ。肩が弱い、リードができないとコーチ陣の間でも評価の低かった村田に、藤田監督はマンツーマンで徹底的な捕手教育を施した。毎試合のように村田にリポートを提出させ、おまえの考えは間違っている、もっと投手心理を勉強しろと、微に入り細をうがった助言を与え続けたという。

 

 今年の小林が昔の村田のように一皮むけるか、楽しみに見守りたい。