球児のハンパないチーム愛が若虎に浸透中

2016年04月04日 16時00分

藤川(右)と笑顔で話す金本監督

<阪神8-3DeNA(3日)>4年ぶりに阪神に復帰した藤川球児投手(35)が3日のDeNA戦(横浜)に先発し、6回無失点の好投で初白星を手にした。日本での勝利は救援投手だった2012年7月14日のヤクルト戦以来。先発としては03年9月19日の巨人戦以来、4580日ぶりだ。48歳の誕生日を迎えた金本知憲監督にとってもうれしい白星のプレゼントとなった。そんな右腕に若虎たちがとりこになっているという。その理由は…。

 

 初回に福留の犠飛とゴメスの4号2ランで援護をもらった藤川だったが、マウンドへの適応に手間取り2回まで4四死球の苦しい立ち上がりだった。それでも要所を抑えると3回以降は最速144キロの直球にカーブを織り交ぜる緩急の投球でDeNA打線を6回までわずか2安打に抑えて白星をゲット。ウイニングボールを手にして「(米国在住の)妻と子供が(春休みで)帰ってくるので、そのときに見せられたら」と笑顔を見せた。

 

 そんな藤川を若虎たちが見習おう、となっている。熟練の技術だけではない。「自分がどうこうというのはない。チームが勝てればそれでいい。自分の勝ち星には興味がない」とまで言い切る徹底した藤川のフォア・ザ・チームの精神、そのハンパではないチーム愛に皆、感動しているという。

 

「復帰初年度で結果がほしいはずなのに、そこまで言えるのはすごいと思う」と、ある若手が言えば、別の若手は「ピッチャーなら個人として勝ちたいという思いがあるのが当たり前なのに、それを捨て切っているのはすごい」とうなる。「球児さんのようにチームのために、という思いが強くなっている」との声も出るなど、若虎の間では“藤川精神”が浸透しつつあるのだ。

 

 レジェンド級のベテランが率先してチームに尽くすことによって生まれた状況。これにはチーム関係者も「今まではチーム状態が悪くなってくると気持ちが切れてしまい、失速につながるという悪循環だったけど、藤川のような思いを持てば、今年は最後まで戦い抜くことができるはず」と期待しているほどだ。

 

 先発としての白星が03年9月19日の巨人戦以来、4580日ぶりとなったことについても「いつも人生はこれから先が大事だというふうに考えている。今日は終わったので、また次の登板でタイガースが勝てるように、これだけのお客さんが来てくれているのでまた喜ばれる登板にしたい」とサラリと話した藤川。「超変革」を掲げる猛虎軍団のなかで、なくてはならない存在となっている。