阪神は31日のヤクルト戦(神宮)を延長12回の末、6―6の引き分け。昨年覇者との開幕カード勝ち越しを狙っていた金本知憲監督(47)は守護神・マテオを同点の9回から投入し、3イニングも投げさせたが、これに虎OBから賛否両論の声が巻き起こった。

5―5の9回にマウンドに上がったマテオは川端、山田、畠山を3者連続三振。今季初の2イニング目となった10回も先頭の雄平に四球を出したものの、無失点に切り抜けた。打線が11回に勝ち越したことで香田投手コーチら首脳陣から「もう1回いけるか」と要請され、受諾。だが、さすがに3イニング目はきつかったか、一死二塁から川端に同点打を許した。

 結局、61球を投じたがマテオは「疲れはない。こういう展開なら言ってられない。ドミニカでも経験しているよ。明日? 問題はない」と力強いコメント。金本監督は「よく頑張ってくれた。負けなかったのは大きい。マテオの交代期? その辺は矢野コーチらを信頼しているから」と話した。指揮官としてもヤクルトは「昨年の優勝チームだから乗せるわけにいかない」と意識して臨んだ相手。勝敗以上にチームの旗印である「超変革」をまざまざと見せつけておきたい腹があったからこそマテオ3イニングという“荒業起用”に出たわけだが、虎OBからは賛否両論の声が出た。

 あるOBは「ムチャなことをしている。9月の優勝争いなら分かるが、まだ始まったばかりのこの時期ではあり得ない。仮に選手が『投げる』といっても止めないといけないし、とにかく無理させる時期ではない」と批判。その一方で別のOBは「その日の試合にかける気持ちは大事。先が長いのは分かるけど“早い時期に何で”とか、今のチームを固定観念で見る必要はないのでは…。思い切ってやればいい。マテオがそこまで投げられたということも分かって良かったんじゃないか。見ているお客さんも楽しんだと思うよ」と逆に評価した。

 開幕早々、巻き起こった采配論争だが、超変革シーズンはまだ始まったばかり。今後もOB間ではいろんなことが言われそうだ。