阪神が30日のヤクルト戦(神宮)に4―8で敗れ、連勝は3でストップ。ドラフト1位ルーキー・高山俊外野手(22)も初めて無安打に終わり、球団記録となっていた新人の開幕からの連続試合安打は「4」で止まった。そんな中、観戦した“恩師”の明大・善波達也監督(53)は高山が心配でならないという。

 高山は前日29日の内野安打1本に続いて、この日はヤクルト・成瀬の変化球攻めに四苦八苦。遊ゴロ2本に一ゴロと完全に料理され、投手が杉浦に代わった最後の打席もあっさり3球三振に終わり、球団の新人開幕連続試合安打記録は「4」でストップした。「打席のなかでうまく修正できなかった。記録は意識していない。チームの1番として塁に出られなかった…。こういう試合の次の日が大事。いい意味で切り替えて一生懸命やりたい」と話したが、そんな黄金ルーキーをこの日、スタンドから心配そうに見ていたのが高山の明大時代の恩師である善波監督だ。

 広島・野村、オリックス・山崎福など何人ものドラ1選手を育ててきた名将だが、阪神入りしたのは高山が初めてとあって気が気でないという。「今は(マスコミとファンに)ヨイショされているときですからね。あまりにされ過ぎて怖いくらいなんです。人気球団ということもあり(成績が)落ちたときとのギャップがある。そこをどう乗り切っていくか。彼の精神力ならば大丈夫だと思いますが、初めての経験でもあるので…」。高山が不振に陥った際、ファンを始め、想像以上の“ブーイング”にショックを受けてしまわないかと案じているのだ。

 高山の体調管理にも注文をつける。「食事や体のケアなどもしっかりやって力を出し続けることが必要。(高山は)その点も鈍感力というか、あまりしっかりしていなかったので…」。この部分も先輩選手から吸収してほしいという。

「そういう日もある。明日もあさっても頑張っていきたい」。恩師の前で不発に終わってもこう言い切った高山。今後はさらにプロとしての試練がやってくる。善波監督の心配が杞憂に終わるように頑張るしかない。