熱戦が繰り広げられている第88回選抜高校野球大会。「高校野球芸人」として知られ、人気バラエティー番組「アメトーーク!」(テレビ朝日系)でもおなじみの、かみじょうたけし(38)は全日にわたってスタンド観戦し、球児たちを生チェック。昨夏の甲子園大会に続き、今春も“かみじょう流ベストナイン”を選出した。

 かみじょうが、今大会のナンバーワン投手に挙げたのが明石商(兵庫)の吉高壮(3年)だ。V候補の東邦(愛知)打線を5安打完封、準々決勝では延長12回に力尽き、サヨナラ負けを喫したが龍谷大平安(京都)の強力打線相手に粘投。「体は小さい(170センチ、75キロ)のに直球の最速は146キロも出すんだから、すごいですよ。偶然にも甲子園の外で試合後の明石商ナインと出くわして、龍谷大平安の原田監督のものまねを披露したら、めっちゃ笑ってくれて。吉高クンは(170センチの)僕よりも小さかったので、公表は違っててあれは165センチぐらいしかないでしょ(笑い)。だけど、吉高クンの太ももを触らしてもらったんだけどパツパツでまるで競輪選手のS級1班のようでしたね。あの重そうな低めの制球力はこの下半身にあるのかと。まるで楽天の美馬のようでしたわ」と大絶賛した。

 投手部門では智弁学園(奈良)の村上(3年)と長田(兵庫)の園田(3年)の選出も考えたという。「村上クンは直球にキレがあって球速以上に体感は速く感じそうで、大舞台に強いハートを持っている。園田クンは将来の夢がエンジニアと言ってるように頭が良くて配球の組み立てとかコントロールがいい。村上クンは僕と同じ淡路島の出身ということで注目していたけど、とにかく今大会の投手は“兵庫勢”のレベルが高かったですね」と付け加えた。

 捕手は秀岳館(熊本)の九鬼隆平(3年)で「打てる捕手として城島さん(元阪神)のようになれる器がある」。一塁手は常総学院(茨城)の宮里豊汰(2年)をチョイスし「甲子園練習も見に行ったけど打撃練習で4発も放り込んでた。限られた時間で1人5スイングぐらいしか振れない中でほぼスタンドインさせてましたわ。いまだかつてそんな選手を僕は見たことない。ぶったまげました」。

 二塁手は滋賀学園(滋賀)の井川翔(3年)で「(光アレルギーで)サングラスをかけててゴルフのレッスンプロかという感じなんだけど、よく打っていた(3試合で12打数5安打、3打点)。それでいて守備もソツがなくて動きが楽天の藤田のように軽快だった。自分が投手なら二塁にああいう選手がいたら安心ですわ。守備位置を変えてファインプレーに見せないところがファインプレー」と評した。

 三塁手は大阪桐蔭(大阪)の吉沢一翔(3年)を推し「とにかくスイングスピードと打球の速さは群を抜いていて、他の選手と打球音がちょっと違いますわ。引っ張ったときの火の出るような当たりはソフトバンクの松田をほうふつとさせますね」。遊撃手は「足も速いし、長打も打てて打球のスピードも速い。将来はヤクルトの山田みたいになれる可能性があるのでは」と秀岳館の松尾大河(3年)を選んだ。

 左翼手は文句なしに龍谷大平安の岡田悠希(2年)。「(1回戦の)明徳義塾(高知)戦でのホームランをちょうど外野席で見てたけど、打った瞬間、音がちゃいましたわ。ボコッといって、めっちゃ低い弾丸ライナーであっという間にバックスクリーンの右横に突き刺さった。これは完全にソフトバンクの柳田タイプ。(霊長類最強の男と称されたレスリング選手の)カレリン並みの背筋力があるんちゃうかなと(笑い)。顔も男前でスター性もあって、このホームランで同学年で早実の清宮をしのぐような評価になったのでは。2年生にしてパワーは今大会ナンバーワンですよ、これは」と声を大にした。

 中堅手は高松商(香川)の安西翼(3年)で「とにかくめちゃくちゃ足が速い。(1回戦の)いなべ総合(三重)戦で1点を追う9回一死から死球で出て、盗塁に失敗したら一巻の終わりという中で、100%警戒されているのに、しっかり盗塁を決めてホームを踏んで追いついた。そこで走るのかいと(笑い)。守備範囲も広くて打撃もセンスがある。赤星さん(元阪神)のようになれるのでは」。右翼手は「ポテンシャルは相当高い」と智弁学園の福元悠真(2年)の名前を挙げた。

☆かみじょう・たけし=1977年12月31日、兵庫・淡路島生まれ。板東英二のモノマネで人気の松竹芸能所属のピン芸人。高校野球にめっぽう詳しく、テレビ朝日系「アメトーーク!」の高校野球大好き芸人にも出演した。ユニークエピソードを集めた観戦日記「甲子園(笑)伝説!」(文芸社)を発売している。