新生巨人が最高の形でスタートを切った。27日のヤクルト戦(東京ドーム)は、新外国人のギャレット・ジョーンズ外野手(34)が8回に来日1号を放ち、3―2で逆転勝ち。高橋由伸監督(40)は新人監督として1981年の藤田元司監督以来、35年ぶりの開幕3連勝。チームの開幕3連勝は1998年以来、18年ぶりだ。前日1号3ランを含む3安打のルイス・クルーズ内野手(32)も先制適時打を放つなど、新助っ人が前年王者スイープに大貢献した。球団が威信をかけて獲得した2人は、貧打線の救世主となるのか。今季からG外国人軍団を束ねる津崎勝利国際部長に話を聞いた。

 ――開幕2戦目はクルーズが大活躍。3戦目はギャレットの本塁打で勝利。国際部長として、ホッとしたのでは

 津崎部長:いやー、良かった! 正直、ギャレットが本塁打を打った瞬間は大声で叫んでしまいましたから。でも、まだ始まったばかりですから、そうそう喜んではいられませんがね。

 ――改めてになるが、ギャレット、クルーズ両新外国人選手獲得の狙いと経緯を教えてほしい

 津崎部長:まず、ギャレットに関しては一発が打てることと、日本に順応できるという点ですね。そういう面では、(昨季途中加入し5試合限りで退団した)フランシスコの裏返し。これまで失敗が続いていた原因はどこにあるのか、という点を真摯に反省しました。スタートラインはやはりそこですよね。

 ――ポイントとして性格や素行面を重視した

 津崎部長:ええ。確実に日本で力を発揮できる選手は誰なんだと。(海外に)力があって、日本に来たいという選手はいっぱいいます。ではその中で“最も性格がいい選手”は誰なのか。ここを重視したわけです。実は候補をズラッと並べて「(実力としては)こっちの方がいいな」という選手もいたんですよ。“実力順位”と“性格順位”を別々に用意して、比較しながら判断しました。

 ――では、実際に入団してからの評価は

 津崎部長:個人的には、来日直後は苦しむかもしれないが、2月後半に家族が来日するまでの辛抱だろうと考えていました。大リーグキャンプを基準に見ていたので、那覇キャンプ後半までは、体慣らしでいいなぐらいで。その意味では、家族と暮らし始めて精神的に安定しているし、調整もここまで順調にきたと思います。実際、彼はハートが強いと思いますよ。優しい男ですし、イライラする様子は見せない。グラウンド外でも弱音は一切吐きませんからね。

 ――クルーズは国内他球団からの移籍だ

 津崎部長:彼は力がはっきりしているし、(活躍できるという)確信がありました。実際、ギャレットの獲得に際して性格面を重視できたのも、クルーズの獲得が先に決まったというのが大きかった。彼は絶対にやってくれるだろうという手応えがあったので、思い切った選択ができたんです。

 ――貧打解消が課題の今季は、外国人野手の成否がカギ。その面でも、ひと安心のスタートと言えるのでは

 津崎部長:いやいや、安心はできませんよ。ただ4番、5番が揃って打ったので、他球団にはそれなりのインパクトや怖さを与えられたのでは。そこは大きかったと思います。ファンの方々にも頼もしく思っていただけたらうれしいですね。