開幕第4戦(29日、対ヤクルト、神宮)先発予定の阪神・藤浪晋太郎(21)が23日、最終調整となる独立リーグ・香川OGとの練習試合(鳴尾浜)に5回から2番手で登板し、3イニング1安打3四死球無失点。球速はMAX149キロ止まりで制球にもバラつきが目立ち“格下”相手に球数は48球も要したが「開幕までに微調整と感覚だけ確かめていけばいい。例年に比べるとペースは遅いけど、やるべきことはやった。あとは詰めの部分。大丈夫と思う」と話した。

 今年の藤浪は沖縄でのキャンプ中すべての実戦も含め、6試合で22回2/3を投げ、11失点(自責6)とピリッとしていない。前回16日のロッテ戦(QVC)では6回途中3失点でKOされた。それでも昨年自己最多の14勝をマークするなど3年連続2桁勝利を挙げているとあってか、金村投手コーチは「順調に来ている。何の心配もない」話すが、チーム内では「不安説」も出始めている。

 理由は昨年の右肩炎症による“後遺症”だ。藤浪をよく知る選手の一人は「去年のこと(右肩炎症)があるし、安心はできない。ボール球の内容が悪すぎるし、持ち味の真っすぐがここにきても上がってこないのは気になる。藤浪ほどの投手なら開幕したらギアを上げると思いたいけど…」と指摘する。ある阪神OBも「右肩痛で昨秋キャンプからここまで満足な投げ込みなどできていないのが心配。藤浪だから大丈夫だろう、という考えは楽観的で危険。本当の調子を取り戻すには開幕してもまだ時間はかかるかもしれない」と警告するのだ。

 この日の藤浪を視察した矢野作戦兼バッテリーコーチも「良くない」と断言。「シーズンは長いんでいろいろある。その中でどうしていくかという能力はあるから」と巻き返しを期待しているが、藤浪は周囲の「不安説」を吹き飛ばせるか。