巨人「阿部二軍」異例発表のウラ

2016年03月23日 06時00分

捕手復帰した阿部は目玉だったが…
捕手復帰した阿部は目玉だったが…

 巨人が大混乱のまま開幕を迎える――。高橋由伸監督(40)は21日、阿部慎之助捕手(37)と岡本和真内野手(19)ら、4選手の二軍降格を決断。1―0で勝利を収めた西武とのオープン戦(東京ドーム)後に、球団から発表となった。賭博問題に揺れるチームのドタバタは収まらないまま、今度は扇の要と若手ホープが本番直前に戦線離脱の異常事態。それでも開幕オーダーは固まらず、新生巨人は嵐の船出を避けられなくなった。

 異例の球団発表だった。試合後の監督会見から約1時間後、フロントの堤辰佳GM(50)が報道陣に対応。「岡本、慎之助、矢貫、公文。この4人は明日から二軍です。慎之助に関しては、コンディション不良。3人については再調整です」と明らかにした。

 オープン戦最終戦となったこの日、阿部と岡本はベンチ入りしていたものの、出番はなし。2人の降格理由について、同GMは「(阿部については)少しのんびりとゆっくり治療しようということ。(一軍復帰の)見通し的にはわからない。岡本は若い力なので(由伸監督も)試してきたのだと思うが、オフェンス、ディフェンス面両方を含め、二軍の試合にたくさん出て、経験を積んだほうがいいだろうという判断です」と説明した。

 阿部の捕手復帰は由伸新監督の目玉政策だった。だが、ベテランは那覇キャンプ中に右肩不安を発症。状態は一進一退を繰り返し、安定しないままここに至った。

 阿部は2月20日のオープン戦・DeNA戦(沖縄セルラー)に「6番・DH」で今季初出場したものの、翌日には右肩痛に見舞われ、別メニュー調整を続けた。複数の病院に通いながら、肩の可動域を広げるPNF(固有受容性神経筋促通法)にも取り組み、今月16日のヤクルト戦(神宮)で復帰。「6番・捕手」でスタメン出場を果たし、2回の第1打席では新垣から右翼席へ2ランを放った。だがその後は1安打のみ。オープン戦での打率は1割3分3厘。3試合でマスクをかぶったものの、間に合わなかった。新監督の初陣に出られず、阿部は「ご迷惑をお掛けします」と言葉少なに東京ドームを後にした。

 一方、2年目の岡本は三塁のレギュラー奪取を期待されたが、オープン戦打率は1割6分4厘に低迷した。辛抱強く起用し続けた指揮官の我慢も限界。堤GMの発表後に厳しい表情でロッカーから現れると、岡本の降格についてはひと言、「総合的に判断した」とコメントした。

 球団全体が賭博問題で揺れるなか、なんとかグラウンド内に光明を見いだそうとしていたファンにとって、阿部と岡本が開幕メンバーから外れたショックは小さくない。今回、幹部の堤GM自ら公表する異例の形式を取ったのも、その衝撃を考慮した上でのこと。

「責任ある立場の人間が、きっちりと説明したほうが良いという判断」(球団関係者)だったという。

 いずれにせよ、浮き彫りになったのは開幕を目前にしても収まらない巨人の混乱ぶりだ。大黒柱の阿部を欠いて、現場もグラグラ。とてもじゃないが、覇権奪回を叫べる空気ではなくなった。