【大下剛史・キャンプ点検=ヤクルト】昨季は14年ぶりにリーグVを達成したヤクルトだが、オフに守護神バーネットがレンジャーズに移籍した。投手陣のデキが連覇のカギとみられる中、本紙専属評論家の大下剛史氏が“台所”を預かる高津臣吾投手コーチを直撃した。

 大下氏:まずは優勝、おめでとう。

 高津コーチ:ありがとうございます。

 大下氏:オフに抑えのバーネットが退団した。

 高津コーチ:新たに外国人投手を3人(ペレス、デイビーズ、ルーキ)獲得しましたが、バーネットがいないことはすごいことなんで…。

 大下氏:安定感があって、信頼できたもんな。

 高津コーチ:ヤクルトに6年いて、日本の野球で成長しましたからね。オンドルセクは来日2年目で、慣れてくるのはいいけど“こなれて”くるとダメになるケースがあるので、そこはちゃんとしなきゃと思ってます。

 大下氏:外から見ていても、真中監督とはいい関係のようだ。

 高津コーチ:本当に、やりやすいようにやらせてもらっています。

 大下氏:なかなかできんぞ。

 高津コーチ:去年はうまくいきすぎました。できすぎです。

 大下氏:そう思っとったほうがいい。

 高津コーチ:おととしは散々な最下位でシンドかったんですけど、めちゃくちゃ面白かったんです。こうやったら負けて悔しい、こうやったら勝ってうれしいっていう単純なものですけど、その経験が良かったのかもしれません。

 大下氏:ここは野手がそこそこやる。連覇のカギは投手だ。

 高津コーチ:去年は後ろで外国人3人(ロマン、オンドルセク、バーネット)使う、いんちきみたいな勝ち方をしましたけど…。

 大下氏:今年はそうはいかん。投手コーチの責任は大きい。真中監督もワレに任せとるんじゃけえ、負けたら腹切らな。

 高津コーチ:そこまで言わないでくださいよ。勘弁してください。

 大下氏:ところで先発は誰がおる?

 高津コーチ:石川、小川、館山…。

 大下氏:石川は8つ勝って10負ける投手。貯金ができん。

 高津コーチ:…。試合数はこなしてくれます。6回ぐらいからリリーフ勝負に持ち込めば。

 大下氏:それを徹底しないとな。

 高津コーチ:リリーフ勝負で負けたくないと思っています。

 大下氏:現役時代の経験があるからそういう気持ちになれるし、思い切っていけるんだろうな。

 高津コーチ:リリーフの強いチームが強いチームだと思ってます。なんとか最低3人、4~5人固めたら勝ち切れる、逃げ切れると(去年も)考えていました。

 大下氏:確かに去年は終盤3イニングを固めてはまったもんな。

 高津コーチ:去年はミレッジがケガでいなくなったので、外国人投手を3人使えた。彼がいたら3人は使えなかったと思います。

 大下氏:まあ、勝つときはそんなもんよ。今年も勝てば本物やな。そうなったら「高津臣吾はたいしたもの」って褒めちゃる。

 高津コーチ:言ってくれますか? まだ早いっすか?

 大下氏:まだ早い。

 高津コーチ:ガハハ。