今季V3を目指すソフトバンクが、強すぎることによる“マンネリ対策”に早くも取り組んでいる。

「勝てど勝てど、人気がもしかすると下がってくるリスクもある。フロント側は常に気を引き締めていかないといけない。リピーターの多いビジネスですからね。スタジアムはいつも新鮮でないといけない。ここは慢心してはいけないところ」(後藤球団社長)

 昨季の日本シリーズでセ王者・ヤクルトを寄せ付けなかった鷹軍団はON時代の巨人を超えて史上初となる10連覇を目標に掲げている。球団幹部は「巨人のV9の時にしたって、最後のほうは盛り上がらなくなってきたわけだからね。それは話として出てきている」という。現状、その危機に直面しているわけではない。「昨季にしても、勝ってお客さんが好調に入ってくれているわけですからね。広告もしかりです。これ以上は、なかなか増やしようがないと言ってもいい。今季でいえば、そんな中でチームの総年俸がアップしている分をどうやってペイしていくか」(球団関係者)

 ただ、昨年のクライマックスシリーズ(CS)などは、勝ち抜く瞬間を見られる可能性がゼロで平日だった初戦と2戦目の動員に苦戦。「CSがいい例だけど、これだけ勝ちが続いていると影響というのも出てくる」との声もある。それこそ強さが一過性なら問題ないが、本気でV10達成を狙っているからこそ、先を見据えての議論がされているというわけだ。

 後藤社長は「もし、強すぎて魅力がない、つまらないと思われるとすれば、それは事業サイドの責任。選手、チームには関係ないこと。事業サイドで新しいことを考えていかないといけない」とも話す。将来的に思わぬジレンマに陥る可能性もあるが、ソフトバンクは名実ともに球界の天下を取ることを狙っているようだ。