伊勢孝夫氏「阪神V奪回へ鳥谷を“恐怖の2番”に」

2016年01月27日 10時00分

プロ13年目の今季にかける鳥谷

【伊勢孝夫 新IDアナライザー】阪神・金本知憲監督(47)から「お前が変わらないとチームは変わらない」と酷評された虎のキャプテン・鳥谷敬内野手(34)。果たして“鉄人”のハッパに応えられるのか。2010年にコラム「IDアナライザー」が大好評だった伊勢孝夫氏(前ヤクルトバッティングアドバイザー)が今年から本紙評論家に正式カムバック。「新IDアナライザー」で07年以来、実に9年ぶりとなる鳥谷の「2番起用」を勧めると同時に“強烈なキャプテンシー”を今こそ発揮すべし、と訴えた。

 

 自主トレ中に私があいさつに出向くと鳥谷は「お手柔らかにお願いします」と言っていたが、その下半身はしっかりと鍛えられているものだった。金本監督からは「(昨年の)倍はしてほしい」と盗塁に関して注文をつけられており、本人も意識しているのだろう。今年は20~25は走ってほしい。3割20盗塁という数字が一つの自己ノルマで、これができるか否かが阪神打線の鍵を握ると言っていい。

 

 そこで金本監督に提案したいことがある。これまで鳥谷の打順は1、3番が多かったが「2番」という布陣はどうか。現代の野球で鍵を握るのは実は1、2番。特に2番は1番が塁に出たときにベンチが動きやすいカウントに持っていくなど技量が求められる最も難しいポジション。昨年、ヤクルト打線が機能し、リーグ制覇できたのは、山田や畠山の活躍はもちろんだが、ポイントは状況に応じた打撃ができる2番に首位打者となった川端を置いたからだ。

 

 今年の阪神も他に1番を任せられる打者がいるということが大前提だが、野球をよく知る鳥谷を2番に置くのは絶好の策といえる。そして、成功の条件は鳥谷に決してバントをさせないことだ。そうすれば攻撃の厚みを増すことができる。鳥谷も配球の勉強をしなければならない。今までは流し打ちで左前打にしていた外角のボールに対しても走者がいる場面では一、二塁間に打つ技術が必要になる。ただ、それも彼を成長させることにつながるはず。指揮官が本人とじっくり話をし、納得した上で実現すれば相手にとって“恐怖の2番”になることは間違いない。

 

 鳥谷自身にも大胆な「超変革」が必要だ。どちらかといえば、闘志を内に秘めるタイプだろうが、もうそういう年ではない。ときには劣勢の場面のベンチで「まだ諦めるな!」「ここからだぞ!」などと声を張り上げ、イニング間には自らの発案で円陣を組んでもいい。円陣はコーチだけの特権ではないはず。それができれば金本監督もびっくりするに違いないし、変わったことを印象づけられる。野村監督が率いた常勝時代のヤクルトは広沢、古田、池山らが大声を出し、ナインを鼓舞することで一丸となった。そんなリーダーシップを今こそ鳥谷が発揮すれば阪神は戦う集団になっていくはずだ。(本紙評論家)