巨人・村田修一内野手(35)が、グアム自主トレから帰国。今年は「村田組」を解体して、坂本、長野らのサカチョー組に“弟子入り”。南国でしっかり戦う準備を整えてきた。ただ、約2週間ぶりに日本に降り立った村田は収穫を口にしつつ、悲壮感たっぷり。チームは新体制となっても、厳しい立場は変わらない。球団内では、同じくベテランの阿部慎之助内野手(36)との一塁併用プランまで浮上している。

 村田は「暖かかったし、しっかり練習できた。いい時間だったと思う」と充実感をにじませた。

 2月1日からの宮崎春季キャンプは一軍メンバーに名前を連ねるが、慢心はない。「また勝負だと思っている。オープン戦とかもありますし、結果を出さないとレギュラーを取れない。(岡本)和真も他の選手もいますし、使ってもらえるようにしっかり頑張りたい」と表情を引き締めた。

 昨季は故障に加えて、極度の打撃不振に苦しんだ。巨人入団4年間で出場は最少の103試合にとどまり、打率2割3分6厘、12本塁打、39打点と寂しい数字。シーズン途中には原前監督から容赦なく二軍落ちも命じられた。今年からは昨季までチームメートだった由伸監督が指揮を執るが、起用に“温情”などまったくない。実際に由伸監督は今年の野手のキーマンに阿部と坂本、長野の3人を挙げ、村田の名前を口にしたことはない。村田も厳しい立場を自覚しているようだが、想像以上の“地獄”が待ち受けている。

「球団はクルーズ(前ロッテ)を獲ったことに、村田がいい思いをしていないことは分かっている。でも、本人が去年打てなかったのだから仕方ない。球団サイドは村田が打てなければ、本格的な阿部との一塁併用も考えている」(チーム関係者)

 すでに球団は三塁など内野守備を万能にこなせるクルーズを獲得。村田がグアム自主トレをともにした2年目の岡本も、ブレークの予感を漂わせている。このライバルたちに後れを取るようであれば、本職の三塁を追われ、一塁で阿部と“ガチンコバトル”を迫られる可能性があるというのだ。

 非情な仕打ちにも聞こえるが、誰もが「男・村田」の復活を願っているからこそ。首脳陣の間でも「このまま終わるような選手じゃない」と言われている。今年は3年契約最終年。崖っ縁の戦いが始まる。