阪神のランディ・メッセンジャー投手(34)が“バネロス”を心配されている。“バネ”とはヤクルトから米大リーグ・レンジャーズに移籍したトニー・バーネット投手(32)のこと。精神面が課題のメッセンジャーにとって、他球団の選手ながら親友であり、貴重な話し相手でもあっただけに、その不在が大きなマイナスになるのではないか、と言われているのだ。

 メッセンジャーとバーネットはチームこそ違ったものの、同時期に来日した投手同士。さらに同じ米国人で年齢も近く、親友としての付き合いを続けてきた。メッセンジャーは「自分が先発しない時は、家で彼の投げるところをチェックしていたよ」と話していたし、球団関係者も「メッセは仲良しの選手が少ないんだよね。遠征先でも食事は通訳と行くか、一人で行くことも多かった。そんな中でバーネットは貴重な存在だった。神宮では練習そっちのけで2人で話し込んでいたのも一度や二度じゃない」と明かす。

 それだけに阪神サイドはバーネットのレンジャーズ移籍を、痛いととらえている。メッセンジャーは審判の判定に不満を持ったり、試合中に一度、イライラし始めると、普通の投球ができなくなるタイプ。ただでさえ精神面が課題の上に来季は親友不在。「メッセは話してストレスを発散する性格。バーネットとは食事にも一緒に行って、情報交換したりしてたみたいだから、話し相手がいなくなってしまって、今までよりも荒れないだろうか」と心配しているのだ。

 加えて阪神が獲得に乗り出しているパドレスのマルコス・マテオ投手(31)とタイガース3Aのラファエル・ドリス投手(27)はいずれもドミニカ共和国出身。2人とも入団となれば、英語よりも母国語のスペイン語でやりとりが行われる可能性も高く、その点でも「メッセンジャーが孤立しないか」と阪神では言われている。他球団スコアラーもこの状況を察知し、早くも「ドミニカ人は同じ国同士でつるむことも多い。メッセンジャーは隙のない選手だけど、イライラすると投球が乱れる。精神的に崩れてくれればウチにとってはラッキー」とニンマリしているほどだ。

 来季も藤浪とともに先発陣の柱としてフル回転が期待されるメッセンジャー。この助っ人右腕の活躍なくして金本阪神の上位進出は考えられないといってもいいが、果たして“バネロス”はどれだけの影響を与えることになるのか。虎サイドはビクビクしている。