順調なら来季中に国内FA権の取得条件を満たす中日・平田良介外野手(27)の来オフの流出を心配する声が、チーム内で高まっている。

 平田は8日の契約更改交渉で2300万円増の7000万円の提示を保留。2年連続で一発サインを拒否した。8000万円以上を希望しているとされるが、球団側は条件を見直すつもりはない。このままでは越年や自費キャンプもありそうな状況だ。

 チーム関係者は「平田は、谷繁監督から来年はキャプテンを任されて、チームを引っ張っていく存在になろうと張り切っていたのに、その気持ちに水を差しかねない。チーム内の他の選手と比べても、この提示額はかわいそうという声が多い」と話す。

 ここにきて周囲をさらにヤキモキさせているのは、平田の移籍願望が“発覚”したから。11月に行われた「プレミア12」侍ジャパンのメンバーだった平田は、大会中に同僚のヤクルト・小川と食事。その際「ヤクルトに行きたいと言っていた」と、小川が13日の愛知・田原町でのトークショーで暴露したのだ。

 ある選手が「平田は酒の席で冗談半分で言ったのかも分からないけど、本心の可能性だってある。これは来季のFA移籍をにらんで、すでに売り込みをかけ始めているのかも」と勘繰れば、チーム関係者も「平田は契約交渉の前から『ヤクルトに行きたい』と言っていたわけだから、今回の提示額を保留したということはFA移籍する本気度が、さらに上がってしまったのでは…」。

 この件で中日はピリピリムード。別の関係者は「ウチから侍ジャパンには大野と平田の2人しか選ばれていない。そのチームの顔ともいえる1人が移籍してしまうようなことになったら寂しいし、ファンだって球団は何をやっているんだとなりかねない。そうならないためにも球団は平田に、もっと誠意を持って(契約)交渉してほしい」と訴えているが…。(金額は推定)