呉と交渉打ち切り・阪神は新守護神に7億円投入

2015年12月10日 16時00分

賭博容疑の一部を認めた呉昇桓

 阪神との2年契約が切れて去就が注目される呉昇桓投手(33)が9日、韓国プロ野球界を震撼させている「海外賭博事件」への容疑で韓国検察の事情聴取を受けた。すでに容疑の一部を認め、今後は在宅起訴もあり得る非常事態になったが、これを受けて阪神は交渉から事実上の撤退を宣言。ヤクルトからFAとなったトニー・バーネット投手(32)らを候補に、マートンの退団などで浮いた「7億円」もの軍資金で、なりふり構わぬ“後任探し”を断行する。

 

“疑惑の守護神”呉昇桓は、この日、韓国検察からの出頭要請に応じて午前7時ごろ、弁護士に伴われてソウル中央地検を訪れ、約5時間にわたる事情聴取を受けた。今回の出頭理由は東南アジアのカジノで数億ウォン(1億ウォン=約1060万円)をかけて賭博をした疑い。韓国メディアの報道を総合すると、呉昇桓は「数億ウォン程度のチップを借りた」と認めたものの「賭博の回数や金額は、それほど多くない」などと話したという。

 

 ついに始まった呉昇桓への検察のメス。阪神・四藤球団社長は「(呉昇桓サイドから)報告は受けた。詳しい内容については、まだ聞いていない」と明かした上で「韓国の国内法に照らして問題があるということになれば(今後の交渉にも)影響が出てくる。こっちも都合があるし、リスクを負うことができない。韓国の検察から(呉昇桓が)起訴された場合は(交渉の断念を)判断する必要がある」。現時点で交渉再開の時期やメドが立たないことから、事実上の交渉打ち切りを宣言した。

 

 2年連続セーブ王を見切ったとなれば「代役探し」が急務だ。四藤社長は「(新外国人の)調査は始めている。いつでも動ける状態にしている」と改めて明言。球団サイドは「総額7億円」もの軍資金を用意し、ヤクルトからFAになったバーネット、前広島のヒースら複数の候補をリストアップしているという。

 

 ある球団フロントは、こう話す。「資金は余っている状態。今オフ退団したマートンの年俸分に、スンファンの分まで浮けば相当な金額ができる。これをバーネットに使えばいいし、考え方次第では複数の外国人投手を獲ったっていい。ウチは今年のドラフトで即戦力投手を獲っていないし、投手はいるだけいたほうがいい。福原、藤川を抑えにといっても、実際は苦しい。せっかく資金はあるんだし、やれる手立てはやったほうがいい」。マートンの4億円と呉昇桓の3億円を足して「7億円」。これを新守護神獲得にフル活用するつもりだ。

 

 ちなみにバーネットの代理人は、4年ぶりに古巣に復帰した藤川と同じ団野村氏。「条件重視の代理人」ともいわれ、阪神とも親交は厚い。バーネットはヤクルト残留が本命ともいわれるが、好条件を用意すれば「勝機はある」と球団関係者は言う。もはや、なりふり構っていられない虎の大補強作戦だ。