大阪市が公募していた舞洲地区(此花区)の運営委託に関する一般競争入札が7日に行われ、オリックスの関連会社「大阪シティドーム」が落札した。これにより、現存する舞洲球場を大阪シティドームが6400万円で買い取り、球場の敷地と近隣の用地10万4449平方メートルを月額599万円で50年間借り受けることになった。

 オリックスは舞洲球場近くに新たにサブ球場、室内練習場、トレーニング施設、選手寮を約30億円かけて新設する計画で、来春に着工予定。神戸にあるほっともっとフィールド神戸はこれまで通り、一軍のホーム試合を年間15試合行うが、二軍の試合は2017年から舞洲に移る。

 京セラドームで会見した瀬戸山球団本部長は「舞洲が最適な環境であるとの判断。練習施設を集約させることで、神戸と大阪に分散したままの状態を解消できる。指導者の行き来もできるし、京セラからも車で15分くらい。効率もよくなる」と期待した。

 ただ、気になるのが閉鎖が決まった合宿所「青濤館」の今後だ。かつてイチロー(マーリンズ)が過ごした406号室は今も「鈴木一朗」のネームとともに残り、イチローの退寮後も誰も住んでいない伝説の部屋。

 瀬戸山本部長は「合宿所をどうするかは何も決まっていない」と話すが、ブルドーザーとともにイチロー部屋も取り壊してしまうのはもったいない。球団幹部は「何か残すいい方法を考えないといけない」と思案しているが、果たして…。