まさかの昇格 巨人・村田ヘッドが胸中激白

2015年11月30日 06時00分

高橋由伸監督(右)と話す村田真一ヘッドコーチ

【赤坂英一「赤ペン!!」】「一度は責任取って辞めますと言うたよ。でも、どうしてもヘッドやってほしいとGMに言われたんや。そらあ悩んだわ」――由伸巨人の新参謀・村田真一ヘッドコーチ(51)が本紙好評連載「赤ペン!!」でおなじみの赤坂英一氏に胸中を激白した。今季優勝を逃した責任者と批判されながら、総合コーチからヘッドコーチへまさかの昇格。その決断の裏側にどのような葛藤があったのか、そして高橋由伸新監督(40)をどう支えていくのか。

 

 巨人の育成選手の冬季練習がジャイアンツ球場で始まった27日、一軍の村田ヘッドコーチが姿を現した。練習を指揮するのは、村田と入れ替わりでヘッドコーチから三軍監督に配転となった川相である。ふたりがクラブハウスでどんなやりとりをしたかはわからない。

 

 この人事には、いまだにファンの間でも批判の声がかまびすしい。今季の最大の敗因は、リーグ最低のチーム打率2割4分3厘が示すように打撃不振にある。にもかかわらず、なぜヘッドの川相が三軍に回され、打撃の責任者の村田がヘッドとなって一軍に残留したのか、と。村田に、そんな声をどう思うか聞いた。

 

「おれは最初、辞めようと思うた。今年負けたんは打てんかったからや。それは数字にもきっちり出てる。打撃で一番責任があったんはおれやねんから、当然辞めるべきやろう。そう決めてたんは事実。そしたらヘッドになってほしいと言われてな。悩んだよ。そら相当悩んだ。受けるまでに、時間もかかった。1週間は悩んだのと違うか」

 

 ヘッド就任を直接要請したのは堤GMだった。

 

「もうね、そらあ、熱心に言われた。どうしてもヘッドをやってほしい。ぜひ来年もチームを引っ張ってくれと。あんなに一生懸命頼みますと言われたんも、おれの人生の中で初めてやないかな。最後までおれでええんかと思うたけどね。結局、なんでヘッドを受けたんかと言われたら、最後はGMの熱意に押されたってことになるやろな」

 

 秋季キャンプでは監督となった高橋由伸にどのような印象を抱いたか。

 

「今年の秋はとにかく、個人練習だけを徹底してやってくれと監督に言われた。そこはかなりはっきりしてたな。いままではチームプレーの練習もやってたやない。それが投内連係から何から全部やめて、ずっと打ち込ませてくれと。それでええと監督が言うんやから」

 

 となると、相当攻撃的な野球をやりそうだが。

 

「いや、そこまではわからん。監督自身、まだ目指す野球が自分でもわかってないところがあると思うよ。いきなり監督になって、いきなりチームを任されたから、いまは個々の選手をじっくり見極めているところやないか。どういう野球やるかは、来年の春のキャンプで、おれらともいろいろ話し合って見つけ出していくことになると思う」

 

 その由伸監督は、一塁手の阿部に来季も捕手を兼務させたいと発言している。元捕手の村田は、どう考えているのか。

 

「阿部ができると言うんやったらええと思うよ。ベンチ入りの捕手を3人登録せんといかんところが2人で済むやろ。本人の幅も広がるかもしれんし。ただ、そこまでしてずっと試合に出るんならもっと打たんといかんやろ。今季の数字(打率2割4分2厘、15本塁打、47打点)では物足りん。阿部の存在感は打つことにあるんやから。一塁手と捕手のどっちで使うかというよりも、まず打撃で本来の調子を取り戻すことが肝心やろうな」

 

 その阿部が来季も打線の中心になる。公私ともに阿部とつきあいの深い村田が、まだ一軍で必要とされた理由のひとつもそのへんにありそうだ。

 

 最後に、三軍監督となった川相に何かひと言ないかと村田に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

 

「ジイ(川相の選手時代の呼び名)は巨人に必要とされてるからこういう形で残ったんや。おれはそう思ってる。これからも頑張ってほしいよ」