国際大会「プレミア12」に参加する日本代表・侍ジャパンのメンバーが2日、福岡市内のホテルに集合した。8日に札幌ドームで行われる韓国との開幕戦を前にチームはプエルトリコとの強化試合(5、6日=ヤフオクドーム)に臨む。そのプエルトリコ代表チームに何とも「怪しい」ムードが漂っている。

「メジャーリーグの協力も得られない上、経験及び力量のある選手は国内ウインターリーグに参加しているので招集できなかった」と顔をしかめたのはエドウィン・ロドリゲス監督(55)だ。

 総勢27選手のメンバーのうち12選手が米メジャーリーグ下部組織のマイナーチームに所属。チーム正捕手と目されるウィル・ニエベスは今季もパドレスでメジャー出場経験がある唯一の元メジャーリーガーだが、6月18日にマイナー契約を結んでいたブレーブスをお払い箱になって以来FAのままとなっており、現在38歳で事実上のセミリタイア状態だ。

「それ以外のメンバーは米独立リーグかプエルトリコ国内リーグに所属する選手。ただ選手生活だけでは食っていけないので、多くの選手が掛け持ちで仕事をしている。林務作業員やガソリンスタンド従業員の職に就いているメンバーもいると聞いた」(チーム関係者)

 プエルトリコは侍ジャパンが2013年の第3回WBC準決勝で敗れて3連覇の夢を絶たれた因縁の相手。だが「メジャーリーガーが多く参加していた当時のチームとの力量は格段に劣る」(前出の関係者)という。強化試合とはいえ、チームの面々はプエルトリコ2連戦を「前回のリベンジと本大会に向けての調整」と重要視しているが、その相手が飛車角落ちであるならば論外だ。

「我々がミーティングをやっている隣の部屋で、プエルトリコの面々は大声で爆笑しながらディナーを取っていた。あまり真剣さもないのかもしれない。そんな相手に強化試合でコテンパンにやられたら、シャレにならないだろう」(前出の関係者)。真剣モードにシフトしている侍ジャパンが万が一、足をすくわれたら目も当てられない。