ソフトバンク・工藤公康監督(52)が日本シリーズの視聴率低空飛行にショックを受けている。ビデオリサーチの調べでは地元・北部九州こそ第1戦は(世帯平均視聴率)29.9%、第2戦は24.4%と高視聴率をマークしたが、関東では9.3%、7.3%とまさかの1桁台に低迷。指揮官は「あらっ! 関東はそんな(低い数字)なの。(相手が関東球団の)『東京ヤクルト』なのにねー。初戦は接戦だったのになあ」と苦笑いを浮かべた。

 日本シリーズは世間の注目を集める貴重な場。「ホークスはまだ『パ・リーグの地方球団』の一つ。だが、才能豊かなタレントが揃った素晴らしい球団。もっとたくさんの人に知ってもらいたい。早く全国区のチームにしたい」と語っていた工藤監督はPRのため、努力を惜しまなかった。

「日本シリーズ監督会議で『予告先発なし』というのは両球団の下交渉で決まっていたが、監督は盛り上げるために議題に上げて、真中監督が拒否すると『じゃんけんで決めましょうか?』と食い下がるそぶりまで見せた」(球団関係者)。少しでも話題になればとの思いからだったが、視聴率という物差しでは散々な結果となった。

「この数字を見るとセ・リーグはまだまだ巨人と阪神。今回の相手がヤクルトではなく、巨人だったらというのはあるでしょう」と関係者は工藤監督の思いを代弁する。仮に4戦全勝で終われば、露出の機会はさらに減る。自軍を「全国区」にするチャンスと捉えていた指揮官は、計算が外れたことにショックを隠せない。