ヤクルトの真中満監督(44)が文字どおりの「普段着」野球で日本一を狙う。

 セ王者のヤクルトは巨人とのCSファイナルを4勝1敗で制し、日本シリーズに駒を進めた。初戦を落とした指揮官が徹底したのが「普段どおり」と「挑戦者の立場」を維持することだった。真中監督はテレビインタビューで3度も「巨人は常勝軍団」と強調。自分たちをあくまでも挑戦者の位置に置いた。指揮官は「挑戦者とかチャレンジャーの方が有利」とその理由を説明した。

 また、CSファイナル中もできる限り、シーズン中と同じルーティンを守った。クラブハウスから球場に行く時間も一定。初戦はお客さんに会うため20分近く早かったが「かかり気味だった」と2戦目からは遅めに戻した。

 またネクタイ姿で取材する記者を見つけると「普段どおりにいこうよ」とカジュアルな服装を求めた。選手たちが報道陣の服装を見てCSを過剰に意識することを避ける狙いだった。平常心こそが今季の勝因となっているため、そこまでこだわったのだ。

 真中監督は「今は緊張感はない。シーズン中の方が変な緊張感があった」とノープレッシャーでチームの力を最大限出し切ることに重点を置いている。主砲の畠山も「セで優勝できたので、もし負けても優勝には変わりがない」と無欲を強調する。

 その姿勢はソフトバンクとの日本シリーズでも変わらない。「(シーズン)90勝のチーム。楽しみですね。今のウチの状態でどこまで通用するか。胸を借りるつもりでいきます」と真中監督。ヤクルトは日本シリーズでも普段着のまま出陣する。