ヤクルトが2日、本拠地・神宮球場で行われた阪神戦で2―1で延長11回サヨナラ勝ちし、14年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた。先にパ・リーグを制したソフトバンク・工藤公康監督(53)同様、ヤクルト・真中満監督(44)も就任1年目の快挙。セ、パ両リーグともにルーキー監督が優勝を成し遂げた。
 
 前回2001年のV戦士だった真中監督が宙に舞う。1回、2回、3回…。2年連続最下位のチームを預かり、就任わずか1年目で混戦のセ・リーグを制した指揮官は、ナインの手で7回胴上げされた。
 
 マジック1で試合に臨んだヤクルトは、1回一死に2番・川端が中前安打、続く山田が四球を選んで一死一、二塁とすると、4番・畠山が左前適時打で川端が生還し、幸先よく先制した。
 
 ヤクルト1点リードで迎えた2回表、阪神は一死三塁の好機も梅野のライナーで走者が戻れず、あえなく併殺となった。この場面で、球審と一塁塁審のジャッジが食い違いが発生。和田豊監督(53)の猛抗議によって審判団が協議し、試合が10分以上中断するトラブルもあったが、ヤクルトナインは動じなかった。
 
 ヤクルト先発・小川は、プロ初のスライド登板の影響も見せず、阪神打線をきっちり抑え、6回2安打無失点で1点リードを守り降板した。
 
 ところが、ここからが悪夢の始まりだった。7回こそオンドルセクが無失点で切り抜けたものの、8回から登板した秋吉が二死から阪神の代打・西岡に右前打されてマウンドを降りると、久古も鳥谷に右前打され、二死一、三塁とピンチを広げる。たまらず守護神・バーネットにつないだが、関本に中前適時打され、ついに阪神に追いつかれてしまった。
 
 ヤクルトは9回にサヨナラ走者を出すものの好機を逃し、試合は延長戦に突入。10回から登板したロマンが阪神打線を抑えると、チーム打率リーグナンバーワンを誇るヤクルト打線は11回、先頭打者の川端が左前打で出塁。続く山田は三振に倒れものの、盗塁とエラーで一塁走者の川端が三進し、さらに畠山が四球で一死一、三塁と絶好のチャンスを迎えた。代打・田中が阪神の攻守に阻まれ二死三塁とされたが、雄平が右翼線へ劇的なサヨナラ適時打を放ち、優勝を決めた。