西武が作戦面を担当する来季のコーチに、今季限りで楽天を退団する橋上秀樹ヘッドコーチ(49)を招聘することが1日、分かった。

 橋上氏はヤクルトでの現役時代、知将・野村克也監督の下でID野球を学び、2005年の楽天創設年から二軍外野守備・走塁コーチに就任。07年からは恩師・野村監督の下でヘッドコーチに昇格し、12年からは巨人の一軍戦略コーチ、打撃コーチとして手腕を振るいチームの3連覇に貢献した。


 6年ぶりの楽天復帰となった今季は三木谷オーナーの現場介入問題の余波を受け、大久保監督とともにチームを去ることが決定している。

 今季の西武は2年目の森友哉捕手(20)がブレークし、秋山翔吾外野手、中村剛也内野手(32)、ルーキー・高橋光成投手(18)の3人で計4度の月間MVPを獲得しながら、結果は首位に20ゲーム差以上離された3位争いとチグハグなチーム成績を余儀なくされた。前半戦は最大11の貯金を抱えて優勝争いを展開しながら、7月15日から球団ワーストの13連敗。また日本ハム・大谷翔平投手(21)にパ5球団最多の5勝を献上するなど、ベンチは選手個々の技量任せでチームとしての戦略が見えない無策ぶりをさらした。

 そこで作戦面での補強として橋上氏に白羽の矢を立て、周辺調査を水面下で開始していた。球団は今季最終戦となった1日のオリックス戦(京セラ)前に居郷球団社長が田辺監督の来季続投を発表。今後は17年の潮崎政権誕生が既定路線となっている。橋上氏は本紙の直撃に「何も正式な話は聞いていないが、名前を出してもらえることは光栄なこと」と語るにとどめたが、西武は橋上氏の楽天での最終戦となる6日ロッテ戦(コボスタ宮城)終了を待って正式オファーを出すことになる。