巨人・原辰徳監督(57)が30日、シーズン最後の戦いへ向けて“集大成”のメンバーで臨む決意を示した。

 ジャイアンツ球場で全体練習を見守った指揮官は、穏やかな表情で残り3試合への決意を述べ始めた。

 ヤクルトの優勝マジックは1で4連覇は絶望的。それでも「我々は可能性がある限り戦う。それは変わらない。相手が勝ったら終わりだろ? そのことよりも、我々のことでしょうね。何が起こるか分からないしな、勝負というのは」と自らを奮い立たせるように前を向いた。

 崖っ縁に追い込まれたチームの命運は、原巨人の黄金期を支えたメンバーに託す。

 この日は久々に役者たちが一軍に顔を揃えた。まずは右ヒジ関節炎で出場選手登録を抹消されていた村田だ。不在の間、三塁では新人の岡本が台頭したが、指揮官はルーキーの成長を評価しつつ「(10月1日のDeNA戦は)順当でいくならば(村田が)スタメンでしょう」と明言した。

 もう1人は不振で再調整中だった内海だ。「このままでシーズン終わっちゃダメだよね。ここまで中心でやってきた選手だから。チャンスを与えたい。輪に入ってもらいたい」。2日のDeNA戦でのバックアップ要員としてロングリリーフに備えさせるという。

 その一方、これまでチームをけん引してきた立岡について「せめて3割打者を1人ぐらいは残したいな」と、残り試合での起用を控える考えを示唆したのは意味深だ。これまでどんなときでも非情なまでに勝利に徹してきた指揮官だけに、どこか違和感はぬぐえない。

 村田は阿部、坂本、長野らとともに「枢軸」と並び称され、リーグ3連覇を成し遂げたチームを支えてきた。内海もかつてはエースとして、リーダーとして、投手陣の先頭を走ってきた原野球の申し子だ。指揮官にとって、今季は監督復帰から区切りの10年目。最後は自分が信じた選手と戦いたいという思いがあるのだろう。