中日が、今季途中に米大リーグのレンジャーズから四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに移籍した藤川球児投手(35)の獲得に乗り出している。阪神、ヤクルトなどとの争奪戦も辞さない構えだ。

 谷繁監督が「(今季は)勝ちゲームの中、7、8、9回で追いつかれて逆転されるという試合が何試合もあった」と話すように、3年連続Bクラスと低迷した最大の要因とされるのは救援陣の崩壊。

 そこで日米通算222セーブの藤川に着目した。谷繁監督と落合GMの確執が明らかになっている中日だが、反目し合っている両者も、この藤川獲りに関しては意見が一致しているようで、高額年俸や複数年契約まで用意するという。

 だが、チーム内にはこれを疑問視する声も少なくない。「藤川は一昨年に右ヒジを手術しているし、年齢もあって故障がち。“火の玉ストレート”を投げていた時のような全盛期はもう過ぎているし、ウチに来ても連投とか無理をすることができないのではないか」とチーム関係者が言えば、別の関係者も「谷繁監督や山本昌、和田、小笠原、川上とベテラン陣が次々に現役を引退したり、チームを去ることになったのに、また同じようなロートル選手を獲ってどうするのか。思い切った若返りをしていかないといけないのに、それに逆行する補強になりかねない」と言う。

 実績十分の藤川だが、周囲の見方はシビア。

 ほかにも「中日ファンにとって藤川といえば、やっぱり縦じまのユニホームで阪神というイメージが強いだろうから、何でこれほど中日に貢献したベテランを大量に切っておいて藤川なのかと納得するかどうか」との心配の声も出ている。