阪神は24日の中日戦(ナゴヤドーム)に2―4で敗戦。4連敗で9日の時点で7あった貯金を吐き出した。首位・ヤクルトとは5ゲーム差、2位・巨人とも3ゲーム差になった。それにしても虎はどうして突如の大失速を見せたのか。その原因は…。

 投打の歯車がかみ合わない。とうとう貯金は0になった。先発の秋山が早々に中日打線につかまり、1回1/3、4失点で降板すれば、打線は12安打で2得点と思うように機能せず、4連敗。和田監督は「塁を埋めたけど、一本が出ない」と苦悩の表情を浮かべた。

 首位・ヤクルトに5ゲーム差をつけられる大失速。その原因としてチーム内では「首脳陣と選手のコミュニケーション不足」が指摘されている。「今季は例えば選手を一、二軍で入れ替えるケースで、昇格する選手には期待する点、降格する選手には反省点や課題点などの説明がしっかりされないことが多かったようだ。それをもし、和田監督自らがやってくれたら、選手のモチベーションも変わったかもしれない」(チーム関係者)

 ケガ人も増え、好調な選手を優先起用する終盤に一、二軍や先発メンバーの入れ替わりが激しいのは当たり前。しかし関係者の話を総合すれば、その際に首脳陣による選手への説明が不足していたという。ナインは“自分は今どうすればいいのか”と戸惑い、それがマイナスにもなったとのことだ。

 また、ここへきて指揮官の去就問題が飛び交っていることも、この連敗と無関係ではないという。「そういうことが出て(ナインに)しらけムードが出てしまった。優勝が厳しくてもCS(クライマックスシリーズ)はある。大事なのは来年じゃなくて、今だからね」(チーム関係者)。人気球団の定めながら、ナインのモチベーション低下につながってしまったとの見方だ。

「勝ちたかったが、毎日試合はある。一戦一戦、全力を尽くす。最後まであきらめない気持ちでやっていく。(中村)GMは最後までチームを見てくれていると思うし、悪い流れを断ち切って再び全力を尽くす」と和田監督は前を向いたが、果たして…。4位・広島とは2・5ゲーム差で、25日からは、その広島と敵地・マツダスタジアムで3連戦。何とかしなければ…。このままではまずい。