今季限りで現役を引退する西武・西口文也投手(42)が22日、イースタンリーグ・楽天戦(西武第二)に先発登板し、3回打者13人に48球を投げて3安打1失点だった。
 
 これが“ラスト登板”になるかもしれないレジェンドの二軍戦登板には早くから大勢のファンが集結。その勇姿を目に焼き付けようと、普段は閑散としている内野のフェンス沿い通路に六重、七重の人垣ができた。
 
 詰め掛けたファンの大声援に両手を挙げて応えた西口は、初回から躍動感溢れるフォームから力強いストレートを投げ込み三者凡退でスタート。1ストライクごとにわき上がる大きな拍手が、21年間ライオンズ一筋を貫いた右腕への感謝そのものだった。
 
 2回に一死満塁とされ、8番・榎本の左邪犠飛で1点を失ったが、3回、二死三塁のピンチでは4番・中川を渾身の外角高めストレートで見逃し三振で抑え、この日一番の拍手を受けてベンチへ下がった。西口は右手中指にできかけたマメの影響でこのまま降板。一軍での引退登板はチームがロッテと激しいCS進出争いをしているため未定で、これが現役ラスト登板の可能性がある。
 
 西口は「まさかこんなに多くの人が見に来てくれるとは思わなかった。うれしかったし、気持ちよかったです。もう満足です。最後、キレイに三振も取ったし、中指にマメができそうだったのでやめときました。一応、5回までは投げるつもりでいたんですが(回の)途中で降板して迷惑をかけてもいけないんで。多くの人に見に来てもらえた中で気持ちよく投げられてよかった」と区切りの登板を振り返った。