DeNAが阪神戦(横浜)に3―2で勝利したが、チーム暴投数が66とセ・ワースト記録を更新。チーム内からは「捕手をFAで補強しないとまた今年と同じ」と警鐘が飛び出した。

 DeNAではこの日、先発・石田、2番手・三嶋が暴投を記録。先発マスクをかぶった嶺井博希捕手(24)がともにバウンドした球を体で止められなかった。これでチーム暴投数は1998、2004年にヤクルトが記録したセ・ワースト65を更新。11試合残した時点で、日本記録の68(90年ロッテ)まであと「2」に迫ってしまった。

 DeNAは後半戦から2年目・嶺井を起用しているが10年目・黒羽根、4年目・高城とも守備には不安がある。さらにこの日の決勝点は13年オフに人的補償でDeNAから阪神に移籍した鶴岡が、福原の暴投を横にはじいた間に二走・梶谷が一気に本塁を落としたもの。DeNAからは「鶴(岡)の恩返し」との声も出たが、DeNAの捕手育成能力のなさを深刻に物語っている。

 DeNA関係者は「もし中畑監督が続投して投手を補強しても守備力のある捕手がいなければチーム成績は変わらない。日本ハム・大野、楽天・嶋、西武・炭谷らFA捕手を何億円使ってでも獲らない限り、Aクラスには行けない」と捕手補強が来季のCS出場の絶対条件とした。

 前半戦を首位で折り返しながら5、6位に低迷したのはチームの要である捕手の不安が大きかった。急所の補強ができるかどうかに、来季のDeNAの命運がかかってきそうだ。