これも「ケガの功名」か。ロッテの佐々木朗希投手(20)が26日の楽天戦(ZOZOマリン)に先発し、7回3安打無失点(8奪三振)の好投で今季8勝目を飾った。

 初回から150キロ台後半の直球と高速フォークを武器に相手打線を翻ろう。序盤からつけ入るスキを与えず三振と凡打の山を築いた。

「ここ最近、なかなかいいピッチングができてなかったので。特に前回(19日、楽天戦)は打線に助けてもらったので。今日は何とか自分の力でゼロに抑えて、チームを勝ちに導けるようにと思って投げました」(佐々木朗)

 ここ数試合は指にマメができた影響や相手の研究などにより、本来の投球が影を潜めていた。だが、この日はシーズン序盤のような抜群の制球力に加えて直球の威力も増していた。何が良かったのか。

 本人は「コントロールも前より良かったですし、フォークもいいところにいってくれた」と語っていたが、最大の要因はこの日およそ1年ぶりとなった佐藤都とコンビを組んだことだろう。

 佐々木朗の「正妻」とも言えるプロ1年目の松川が24日の西武戦での走塁で肩を負傷。この影響で同期入団の佐藤都とバッテリーを組んだわけだが、この新たな女房役が佐々木朗の投球幅を広げるべく配球を工夫した。序盤から直球を狙う傾向にあった楽天の各打者に対し、効果的にカーブを利用。この緩急をつけた配球もあって相手打線をかく乱した格好だ。

 新たなコンビとの化学反応でさらなる進化をとげる令和の怪物。目標の2桁勝利まで残り「2勝」となったが、この調子なら心配無用か。