西武・外崎修汰内野手(29)が、1番打者としていぶし銀の輝きを放っている。

 チームは18日のソフトバンク戦(ベルーナ)に8―5で勝利。試合を決めたのは初回、15号3ランを放ったオグレディだったが、そのヒーローが「2点を先制された中でトップバッターの外崎からみんなが、つないで、つないで反撃の流れを用意してくれたことに感謝したい。打線として素晴らしかった」と敬意を表したのは、6人の打者が自分にチャンスを回してくれたこと。

 とりわけ初回、2回にいずれも中越え、左中間フェンス直撃の二塁打を放ち、4回には中押しの右犠飛を放って打線にスイッチを入れた切り込み隊長・外崎の存在だった。

 1番に入ったここ19試合で打率2割6分6厘、出塁率3割2分6厘、3本塁打、12打点と慣れない役割に苦しみながらもチームの勝利に貢献している外崎は「1番に入ってから1打席目がすごく難しい。今日は平石さんから『点差に関係なくどんどん行っていいぞ』という言葉をもらって積極的に行けた」と日々の苦しみの中で結果につながった打撃コーチの言葉に感謝した。

 2018年、19年の連覇時には「第1クリーンアップ」の森―山川らと「第2クリーンアップ」の栗山、中村、メヒアらをつなぐ6番~7番に座り抜群のつなぎ役を果たした。チーム編成の変化により、今季後半戦は「できれば打ちたくない」という制約の多い1番に入りながら、いぶし銀の働きを見せている。

 年齢的にも中堅となり「自分のやりやすい役割」から「チームに求められる役割」を試行錯誤しながらこなしている外崎は、東北人の粘り腰で地味ながらも、堅実にその存在感を放っている。