西武は内海哲也投手(40)が今季限りで現役を引退すると16日に発表した。

 プロ19年間で332試合に登板して135勝104敗、防御率3・24の数字を残した左腕は「今シーズン限りで現役を引退することを決断しました。今の気持ちは『やりきりました』の一言です。19年という長きにわたってご声援を送っていただきましたファンの皆さま、支えてくださった関係の皆さまに心から感謝申しあげます」と、まずはファンへの感謝を語った。

 その上で「振り返りますと、リーグ優勝や日本一になることができ心から喜んだこと、ライオンズに移籍した2019シーズンは一度も一軍のマウンドに上がれず悔しい思いをしたこと、今シーズンは目標にしていた2000投球回数を達成できたこと、新たに投手コーチとして投手の育成に微力ながら携われたことなど、いろいろなことがありました。すべてがいい思い出で、本当に幸せな野球人生を送らせてもらいました。来月には記者会見を行い、その場で感謝の言葉を直接お伝えしたいと考えています」と、9月の引退セレモニーで最後のあいさつを行う意向を示した。
 
 18年オフにFAで巨人へ移籍した炭谷の人的補償で西武へ移籍。新天地では登板8試合で2勝3敗、防御率4・79と数字こそ残せなかったが、二軍関係者が「何事にも妥協しない姿勢と、野球に対する取り組みには頭が下がる」というように若手投手陣の手本となってきた。

 毎朝、神奈川の自宅から片道1時間半をかけて朝7時には二軍施設に到着している野球に向かう姿勢で周囲の評価を高めてきた。

 兼任投手コーチとなった今季は、一軍のチーム防御率2点台中盤に陰ながら貢献し、若手投手陣との対話力も高く評価されている。

 西武としてはこのまま投手コーチに専念してもらい、豊田清投手コーチが3年がかりで築き上げた投手王国再建を後方支援し続けてほしいところ。渡辺GMから内海に来季以降のコーチオファーが出ることは確実な情勢となっている。

 あとは古巣・巨人の出方と内海自身が第2の野球人生をどう考え、決断するかだ。