新型コロナの集団感染で6試合が延期になるなど、苦境に陥った巨人。2日のリスタート後は2連敗と苦しんだが、その後は4連勝を飾るなど、状態がようやく上向いてきた。まだ未合流組もいるなど、今後も苦しい戦いが続くが、そんななかポストシーズンに向け日程延長がチームにプラスに働きそうだという。

 7月19日から4日間で巨人は支配下38選手が新型コロナウイルス陽性となった。6試合が延期となり、2日から2週間ぶりに戦線に復帰した。阪神に2連敗と苦しい再スタートとなったが、3戦目に勝利。首位・ヤクルトを3タテするなど2か月半ぶりとなる4連勝をマークした。依然、借金3の4位ながらも再浮上へ光明も見えてきた。

 そんななか「ポストシーズンの戦いを考えればチームにとってプラスになる」とチーム関係者が前向きに捉えたのが、追加日程が10月に入ったことだという。

 セ・リーグは5日に追加日程を発表。コロナ禍により延期となった6試合は中日戦(バンテリン)が9月22~24日、DeNA戦(横浜)が9月25日と5日間空いて10月1、2日にそれぞれ組み込まれた。

 それまで中止が1試合もなかった巨人は、当初は9月21日のDeNA戦(横浜)がシーズン最終戦となるはずだった。それが11日も延長された。

 数字上は逆転Vの可能性もあるものの、3連勝でもヤクルトとは11・5ゲーム差と現実的には厳しい。最大目標である日本一へクライマックス・シリーズ(CS)からの下克上も当然、視野に入っている。

「CSに出られた場合、10月8日の第1ステージ初戦まで2週間以上、試合が空くところだった。ミニキャンプや紅白戦を、10月2日まで試合があれば試合勘を維持したままでCSに臨める」(前出の球団関係者)

 日程がプラスに働く可能性が出てきたものの、延期によって相手球団に迷惑をかけたことは事実。雨天中止の多かったDeNAは9月に10連戦を含む27試合をこなす過密日程となった。

 一方、巨人側も原監督が「やっぱりわが軍は満身創痍。選手はやっぱり体の張りというのは相当ありますよ」と話すように、選手個々は大きなダメージを受けている。今後も感染拡大防止が常に最優先で求められることは変わらない。これからの一戦一戦がより大事になってきそうだ。