平成の怪物ことソフトバンクの松坂大輔投手(34)が18日、関東地方の病院で右肩の手術を受けた。復帰には6か月かかる見込みで、程度としてはひどくなく、来季の開幕に照準を合わせてリハビリをスタートする。今後に関しては球団サイドも松坂の意思を尊重して“渡米容認”の方針だという。

 右肩の違和感に苦しんでいた松坂が今季中の復帰をあきらめた。この日、球団が内視鏡による右肩関節唇および腱板のクリーニング手術などを受けたことを発表。復帰には6か月かかる見込みで、来季の開幕を見据えてのものとなる。

 工藤監督は「早く結論を出したほうが切り替えも早くできるし、来年不安がなくなって投げられるなら、そのほうがいい」とコメント。田中トレーナー統括は「(手術で)開けてみたら程度としてひどくなかったし、クリーニングで済みました」と説明した。

 3年総額12億円(推定)もの大型契約で国内復帰して注目を集めたが、1年目はまさかの一軍登板なしとなった。注目されるのは再出発となる今後だ。退院の日程やその後のリハビリ先に関しては、球団によると「まだ決まっていない」という。もっとも、松坂本人は自宅がある米国に渡ってのリハビリを希望しているとのことで、これに球団サイドも“渡米容認”の方針だとか。

 球団関係者は「今回の手術もそうだが、基本的に彼の意思を尊重するようにやってきている。それぞれに関してアドバイスはするし、できればリハビリは国内のほうがいいと思うけど、それでも彼が米国でやりたいというのなら、強制することはないと思っている」と話した。

 なぜなのか。通例なら、シーズンが終わるまでは、福岡・西戸崎でのリハビリ組に入る。リハビリとはいえ、チームの管轄を離れて自宅のある米国へ帰る形になれば、助っ人外国人のような“特別待遇”になる。また、今まで松坂を診てきた国内の医者から、米国の医者への引き継ぎを行う必要も出てくる。

 ただ、現在の松坂は、国内での「見られる」リハビリに強いストレスを抱えている。松坂の動向を注視する報道陣が多かったことで、投げるのを中止にしたこともあった。それほどまでに過敏になって苦しんでいる。それに、日常的な頻度で西戸崎合宿所を離れて県外のリハビリ施設を訪れている。あくまで本人の意向を優先してのことだ。

「ここまできて特別扱いも何もないでしょう。米国の温暖な場所でリハビリをしたほうがいいとも考えられるし、周りの目を気にせず集中してやれるならそれでいい」(チーム関係者)

 高給取りながら今季絶望となった松坂への風当たりはチーム内でも強い。WBCで日本を2度の世界一に導いたレジェンド右腕は今回の手術で劇的な回復を遂げて復活できるのか。