最後までヒヤヒヤだった。巨人は6日のヤクルト戦(神宮)に3―2で辛勝。1か月ぶりの3連勝を飾った一方で、予期せぬプレーが続出した。

 まずは先発した4年目右腕の直江だ。4回まで1失点で抑えていたが、5回先頭打者の赤羽に投じた145キロ直球がヘルメットに当たって危険球退場。そして、極めつきはわずか1点リードの9回二死一塁の場面だ。

 あとアウト1つで勝利が決まるところで、代打・西田が放った打球は中堅への平凡なフライ。両軍ベンチとも〝勝負あり〟を確信したが、悠々と落下地点で捕球態勢に入っていた増田大が、グラブに当てながらまさかの落球…。場内が騒然となった中、ピンチは一、三塁まで拡大。この回から登板していたクロールが続く中村を三ゴロで打ち取ってゲームセットとなったが、G党にとっては肝を冷やす展開となった。

 原辰徳監督は「〝4アウト〟というのはね、点数はだいたい入るものだけど、よく頑張りましたね」とクロールの粘りを評価。指揮官は最後のアウトが宣告されるまでグラウンドから目を離すことはなかった。「(試合が)終わったとは思っていないけどさ。ミスター(長嶋終身名誉監督)がよく言っていたように『ゲタをはくまで』ってね。それはよく僕は言われてね。しっかりと見届けようと見ていたら、ああいうことが起きた。(クロールは)よくカバーしましたね」と改めて助っ人左腕に賛辞を送った。

 すったもんだの末に、これで原監督は史上10人目となる監督通算1200勝を達成。「また明日になれば同じ心境で朝を迎えてユニホームを着るでしょう」。自身の記録よりも、1201勝目に目を向けていた。