【ソフトバンク】柳田悠岐が公式戦に広商の後輩を招待 コロナで〝不遇の世代〟に伝えたいこと

2022年08月01日 15時36分

ソフトバンク・柳田悠岐(東スポWeb)
ソフトバンク・柳田悠岐(東スポWeb)

【取材の裏側 現場ノート】今年の球宴で改めて「球界のスター」であることを証明した。ソフトバンクの主砲・柳田悠岐外野手(33)は、第2戦(松山)で決勝弾を放って文句なしのMVPを獲得。恒例のホームランダービーでは、第1戦MVPの日本ハム・清宮を投手役に指名して準優勝するなど話題の中心だった。

 昨オフから自主トレに帯同している清宮との師弟コンビは大きな注目を浴びた。弟子は前半戦だけでキャリアハイの11本塁打をマーク。大減量をしてシーズンに臨んだ本人の覚悟あってこその成果だが、良き相談役でもある師匠・柳田の存在も無縁ではないはずだ。

 清宮だけではない。面倒見の良さは昔からだった。とりわけ「あの過酷な3年間で精神を鍛えられたからこそ、今の僕がある」と語る母校への恩義は強く、接点のない後輩であっても気にかける存在だ。

 今春、広島商業の後輩たちは不遇に見舞われた。第94回選抜高校野球大会に20年ぶりに出場。だが、初戦を突破したチームを新型コロナの猛威が襲った。優勝候補の筆頭・大阪桐蔭との2回戦を前に出場を辞退。〝横綱〟との力試しはかなわなかった。

 柳田は完全燃焼できずに終わった球児の無念を思いやった。センバツ前には部員・スタッフら120人分の特製パーカを出場記念に贈っていた。後輩たちは口々に「いつも気にかけてくださる柳田さんに恩返しがしたい」と語る。偉大な先輩が見守ってくれているということだけで、気持ちの入り方が違った。

 センバツ後、チームは始動が遅れた影響もあり、春季県大会の初戦で敗退。夏の県大会はノーシードからの出場だった。それでも激戦の広島大会で4強に進出。惜しくも甲子園への帰還はかなわなかったが、名門の誇りを示した。打たれ強く、我慢強い「広商の魂」を見せた後輩に、柳田は刺激をもらった。

〝よくやった〟という思いを込めて、引退が決まった3年生と下級生部員の約80人を8月にペイペイドームで開催される公式戦に招待することを決めた。不遇をこらえ、たくましさを見せた後輩たちに〝ちゃんと見ていたぞ〟とのメッセージを示すため。悲願成就とはいかなかったが、逆境での努力をたたえ、次の目標に向かって進む後輩たちの背中を後押しするつもりだ。

 学校関係者は「後輩たちも柳田さんのような大人になってほしい」と言う。多感な少年たちにとって〝カッコいい〟の意味を知る特別な夏休みとなりそうだ。(ソフトバンク担当・福田孝洋)

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