今は何を言われても耐えるしかないのか。77人(支配下38選手)の新型コロナ陽性者を出した巨人は29日に一部選手がジャイアンツ球場で練習に臨んだ。その一方ではDeNAと、31日の試合開催可否について協議したが、結論は30日に持ち越された。ここも中止となれば、6試合連続延期となり、否定的な声も強まりそうだが…。そんな中、球団が公式サイトに掲載した「全力疾走」のキーワードにも様々な意見が飛び交っている。


 関係者によると、本来なら後半戦開幕日となった29日、ジャイアンツ球場では隔離明けの選手たちがコンディション向上に努めたという。それでもまだ、試合ができる人数には足りていない。同日夜にはDeNAと巨人で31日の試合開催が可能か協議されたが、結論は30日に持ち越された。選手が試合に出られる状態かを、ギリギリまで見極めるようだ。

 28日にはNPBで臨時実行委員会が開かれ、巨人が申し出た29、30日のDeNA戦(横浜)延期が承認されている。31日の同カードも延期となれば、7月22日からの中日3連戦(バンテリン)に続き、6試合連続の中止。球宴期間を挟んでいるため、試合のない日は11日間にも及ぶ。

 試合を挙行できないのは、内野手不足でチーム編成が困難なため。巨人は28日、球団公式サイトに記事を掲載。出場可能な内野手が3人(吉川、広岡、勝俣)しかいないことに加え、「本日午後の時点でも、隔離期間を終えた内野手8人とも全力疾走や全力投球ができるコンディションにはなく、この状態で29日からの試合に出場させた場合、大きな故障につながりかねない」と経緯を説明している。

 もちろん、こればかりはどうしようもない話。ただ、いろいろとタイミングが重なって、巨人に対する風当たりは強まっている。まずは陽性判定が球宴前というタイミングで結果的に〝大型連休〟につながったこと、そして現在、主力の坂本が故障でリハビリ中だったこと、さらには延期となったカードがいずれも相手の持ちゲームだったこと。東京ドームでは8月2日から巨人―阪神3連戦が予定されている。

 そんな中、球界関係者からは「全力疾走ができないから試合に出られないというなら、試合に出た選手は全員が全力疾走をできるということになる。これまで巨人の主力は内野ゴロではジョギングのような走りで一塁に行っていたけど、今後は厳しい目で見られることになるのでは」との声も。周囲の風当たりは日に日に強まっている。

 対策をしていたとはいえチーム内の感染拡大を防げず、試合を開催できない以上、批判の目が向けられるのは仕方がないこと。1日も早く、選手それぞれが試合に出られる状態まで体を戻してほしいところだが…。