1割台の得点圏打率で「チャンスに弱い」と言われてきた日本ハム・清宮幸太郎内野手(23)が、前半最終戦となった24日のロッテ戦(札幌ドーム)の7回、決勝の一塁内野安打を放って5―4の勝利に貢献。チームの連敗を6で止めた。

 殊勲の清宮は「最近なかなかヒットが打てずチームに迷惑をかけていた。なんとか代行に勝利を届けたかったので、絶対に打つという気持ちしかなかった」と木田監督代行の初勝利に笑顔。2試合連続の1番起用については「みんな免疫がついていると思う。何番でもいける準備はしています」と球宴明けからの打順固定を明言している新庄監督に猛アピールした。

 その上でプラスワン投票で初出場の決まっている球宴に向けては「オールスターはホームランを打ってMVPを獲ります」と宣言も。5年間くすぶり続けてきた〝未完の大器〟がここまで自己最多の11本塁打を放ち、さらに自らの殻を打ち破ろうともがいている。

 そんな清宮に対し、新庄監督は秋季キャンプの減量指令に始まり、走塁ミスでの激怒、そして9日ホークス戦での高速低空弾では「あの低さで、あの弾道で、あの方向。今まで見た日本人のホームランで一番じゃないかな」とアメとムチを使い分けながら、育成を前進させようとしている。

 これまで清宮が伸び悩んできたのは「ハングリー精神とは無縁の恵まれた環境の中で野球をしてきたからでは」(球団関係者)とも言われてきたが、新庄監督に怠慢走塁を怒られて以降は、試合前練習でひたむきに走塁練習に取り組む姿も見られるようになった。

 まだまだ調子の波は激しいが、ビッグボスが清宮の中の〝何か〟を変えつつある。