緊急事態をチーム一丸で何とか乗り切った。広島は20日の阪神戦(マツダ)に5―3で逆転勝ち。先発のアンダーソンは5回3失点とピリッとしなかったが、中継ぎ陣が無失点でつないだ。また打線も少ないチャンスを確実にものにした。

 この日、試合前に4番を務めていたマクブルーム、代打で好成績を残していた堂林の2人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。代わって4番を務めたのは坂倉将吾捕手(24)で、プロ6年目で自身初の4番だった。

 さらに先発ローテを担っている森下暢仁投手(24)、野村祐輔投手(33)がベンチ入り。佐々岡監督は「野村は中(継ぎ)でと考えていた。森下は野手が少ないので最後の最後に何かあった時の〝打〟の方で入れました」と話した。

 そんな全員野球が実った。7回に4番・坂倉の安打から4得点を挙げ、3番手で投げた薮田が636日ぶりに白星を手にした。指揮官は「今日は人数が少ない中でもベンチ内もいい雰囲気の中でみんなで戦っていた。だからこそああいう逆転劇が起こるんだと思う」とホッとした表情で語った。