西武の投手王国再建が着々と進行している。

 14日のロッテ戦(ベルーナ)に2―1と勝利し貯金を今季最大の7とした西武は、最大8・5ゲーム差あった首位との差をゼロまで詰め、勝率2厘差と肉薄している。

 その原動力になっているのは12球団トップのチーム防御率2・40が示す投手力だ。

 山本由伸、佐々木朗希といったSS級のエースこそいないが、先発陣は高橋光、エンス、与座、松本、平井らが堅実に試合を作っている。

 盤石のブルペン陣も水上、平良、増田の方程式を中心に、周りを宮川、佐々木、森脇、ボー、本田らが固めている。

 昨季までのチーム防御率は4年連続リーグワースト。それが、どうして変身することができたのか。この改革に欠かせない人物が20年シーズンから古巣復帰した〝守護神〟豊田清投手コーチ(51)だ。

 昨季までの2年間はブルペン担当として平良、増田を核とした勝利の方程式を確立させた。今季からチーフ格に昇格すると、ここまで救援防御率を1・56にグレードアップさせただけでなく、先発防御率も2・89まで改善。投手個々の性格や特徴を細かく把握した上で意思疎通を欠かさず、その運用に関しても「シーズンをいかにフレッシュな状態で戦い抜くか」というリカバリーに主眼を置いたものとなっている。

 果たして西武投手陣はこのハイスタッツを維持したまま3年ぶりの覇権奪回を成し遂げるのか。