中日がヤクルト・村上宗隆内野手(22)のバットに戦々恐々だ。13日のヤクルト戦(バンテリン)は6―3で逆転勝利を収めたものの、初回、村上に30号2ランをバックスクリーンに叩き込まれただけに「ヒットはしょうがないけど長打をくらわないように。ここ(バンテリンドーム)でよく打ってますから」と立浪監督も警戒モードを強めている。

 両リーグ最速で30本の大台に乗せた村上だが、広いドームをまったく苦にしておらず、今季バンテリンドームで行われた中日戦6試合で5本塁打を記録している。中日はホームで44試合を消化しているが、バンテリンドームでの本塁打数は阿部、A・マルティネス、鵜飼の3本が最高。チーム本塁打数がリーグ最低(40本)の中日ナインとのパワーの違いを見せつけている。

 V9時代の巨人と対戦経験のあるOBの一人は「ペナントレースの半分以上を消化して(中日のホームで記録した本塁打数が)うちの選手より多いなんて記憶にない。王さんが50本以上打っていたころでもそんなことはなかった。ボールをバットに乗せて遠くへ運ぶ技術はすごいよ」とホームランアーティストとしての村上の実力に脱帽。チーム関係者の間からも「村上は(バンテリンドームの)センターや左中間にもホームランが打てる。どれもギリギリのホームランじゃないのがすごい」と驚嘆の声があがっている。

「悔しいけど村上はモノが違う」(前出のOB)。セ・リーグで唯一、ヤクルトに7勝5敗と勝ち越している中日だが、村上の一発を封じないと今後も苦戦は免れそうもない。