持って生まれた才能が大舞台をきっかけに開花するか。野球伝来150周年のプロアマ記念試合(8月1日、神宮)として開催される「U―23NPB選抜」と「大学・社会人選抜」のメンバーが4日に発表され、NPB選抜の24選手には中日からは根尾昂投手(22)と鵜飼航丞外野手(23)が選ばれた。

 昨年12月に就任した侍ジャパンの栗山監督にとって初采配となるが、4年目の今季途中に野手から投手に転向したばかりの根尾が投手として選出されたことで中日内では栗山監督に感謝する声が出ている。

 5月21日の広島戦(マツダ)で一軍投手デビューを果たし、ここまで中継ぎ投手として7試合に登板して5回2/3を5安打2失点、防御率3・18。中日関係者は「正直、根尾が選ばれるとは思っていなかったので栗山監督の抜てきにはびっくりした。ここまで野手としては結果を残せなかった根尾だけど投手としては伸びしろしかない。もともと侍ジャパンのような大舞台でこそ真価を発揮する男だからね」と喜んでいる。

 メンバーには大阪桐蔭で同僚だったロッテ・藤原のほか日本ハム・清宮、ロッテ・安田、阪神・森木、広島・中村奨、巨人・秋広ら未来のスター候補がズラリ。対戦する相手も「二刀流」として注目される日体大・矢沢宏太投手、大学屈指のスラッガーの早大・蛭間拓哉外野手、高校時代の同僚だった立大・山田健太内野手らが選出された。

 それだけに別の関係者は「藤原や清宮らライバルとチームメートして一緒にやれば刺激になるだろうし、甲子園を沸かせた中村奨とバッテリーを組んでも得るものがあるはず。プロとして同級生の矢沢や山田には絶対に負けたくないだろうし、そこでの経験を踏み台に躍進してほしい」と熱く語る。

 シーズン中に送り出す立浪監督も「チャンスなのでね。本人も行きたいと。その時の状態にもよりますけど、いい経験になるのでやらせます」と飛躍を期待すれば、根尾自身も「選んでいただきありがとうございます。自分の投球ができるように頑張ります」と張り切っている。プロとして侍ジャパンを経験した根尾がどんな進化を遂げるか注目だ。