西武が“秋山ロス”を払拭する道を模索している。広島入団となった秋山翔吾外野手(34)の交渉に当たった渡辺久信GM(56)は「当球団としては一緒に戦いたかったという思いが強かった。このような結果になったのはとても残念です。ただ、秋山選手が決めたことなのでカープで頑張ってほしいと考えています」という言葉に無念さをにじませた。

 本人のメジャー挑戦が不調に終わり、古巣のチーム編成的にも戻りづらさがあったこと。広島、ソフトバンクを上回るような条件提示はできなかったなどの複合的要素から、渡辺GMとのホットラインだけでは、秋山に古巣復帰を決断させることはできなかった。

 これで西武は、この2年半苦しんできた「1番・中堅」問題を、秋山復帰以外の方法で解決しなければいけなくなったが…。

 チーム内からは「本来は守備力のある愛斗や足のある若林がチャンスを生かして定着してほしいポジション。このままダラダラ行ってしまえば、近い将来、優秀なスカウト陣が“源田方式”でスポットに当てはまりそうな即戦力外野手を探してくるような展開にもなる」との声が高まっている。

 2012年オフに中島(現巨人)が流出して以降、遊撃のポジションが固まらなかった西武に17年、すい星のごとく現れたのがドラフト3位ルーキーの源田だった。西武スカウト陣の眼力に頼ることになる前に、現場でポジションを奪う“本物”が出てくればいいのだが…。