阪神・中野拓夢内野手が28日のDeNA戦(横浜)に「1番・遊撃」として先発出場し、4打数2安打1得点。2戦連続のマルチ安打を記録したが、チームは先発・西勇の乱調が響いて2―6で完敗。自身のバースデーを白星で飾ることはかなわなかった。

 昨季までチーム不動のリードオフマンを務めていた近本が3番にまわった影響もあり、中野にとってはこれが今季12試合目の1番打者としての先発出場。中野―島田―近本の俊足選手3人で形成する新・上位打線も日に日に息が合いつつある。

 象徴的だったのは初回の攻撃。先頭・中野が中堅への二塁打を放ちチャンスメークすると、続く島田はカウント2―1からの4球目を右前へ。右翼・楠本が捕球にもたつく間に、昨季盗塁王の中野は一気に本塁へ生還し、試合開始数分で早々に先制点をゲットした。(記録は島田の右前打と楠本の失策)。

 なおも無死一塁。島田はすぐさま盗塁を仕掛け二塁へ進むと、3番・近本の一ゴロの間に三塁へ。4番・佐藤輝の中堅への当たりはやや浅かったが、島田は果敢にスタートを切り2点目のホームイン。2本の安打のみで2点を奪い取る効率のいい攻撃は全て「足」が絡んでいた。

 虎の新リードオフマン・中野は序盤の得点シーンについて、試合後「勝ちには結びつかなかったが、初回の攻撃に関しては非常にいい流れを持ってこれたと思う。(島田)海吏さんと相手バッテリーが嫌がりそうなことを仕掛ければ自然とプレッシャーもかかるし、クリーンアップにもいい形でつなげることができると思う」と手応え。虎の「嫌がらせトリオ」が走って走ってセ界を足でかき回す。