歴戦の雄は諦めていない。巨人は26日のヤクルト戦(神宮)を10―11で落とし、自力優勝の可能性が消滅。試合後、元木大介ヘッド兼オフェンスチーフコーチ(50)が今後への意気込みを語った。

 炎天下の中、激しい乱打戦となった。巨人は3回表終了時点で5―1とリードを得たが、直後に中4日で先発した戸郷がツバメ軍団に捕まる。長岡の逆転2ランなどでこの回一挙6失点。一気に試合をひっくり返された。その後も一進一退の攻防を繰り返したものの、最後はあと一歩及ばず。打線は4年ぶりの2試合連続二桁安打を記録しながら、勝利にはつながらなかった。

 計14安打と爆発力を見せた打線だったが、守りでは記録に残らないミスも目立った。初回の先頭・塩見の打席では、ファウルゾーンへの打ち取った当たりの打球を一塁・増田陸が逆光で見失い捕球できず。結果的に四球で出塁を許すと、その後の青木の適時打で生還となった。ビッグイニングを許した3回には、一死一塁から山田の打球を左翼・ウォーカーがファンブルして適時失策。その後も細かいミスが目立ち、失点につながるケースが散見された。

 元木ヘッドは「細かいミスがあるのかなっていうのは、そういうのは反省していかないといけない」と課題を指摘しながらも「打線の方はよく頑張ったし、まあしょうがないよな」と一定の評価。

 これで自力優勝の可能性は消滅したが、「大逆転劇」を知る男はまだあきらめていない。同コーチは、1996年に首位・広島との最大11・5ゲーム差をひっくり返して優勝した〝メークドラマ〟を経験。「俺らはまだこれから。まだヤクルト戦も結構あるし。(逆転優勝のためには)勝つしかないのよ。勝つしかない。(あの当時も)そうだよね。勝つしかない」と語気を強めた。

 シーズンもまだ中盤。後半戦を一戦必勝で戦い抜き、伝説の再現を狙う。