西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏(54)が、賛否を巻き起こした中日・波留敏夫一軍打撃コーチ(52)の試合中の猛ゲキについて、自身の見解を明かした。19日にCBCラジオで中継された中日―巨人戦の解説のためバンテリンドームを訪問。選手らを「アホウ!」と一喝した波留コーチに「カーッと気合を入れたというのは僕は素晴らしいことだと思う」と立浪竜の方針を援護した。

〝中日応援番長〟として黙っていられなかった。PL学園の2年後輩である立浪監督と親交の深い清原氏は、2月に中日の沖縄キャンプを訪れ、石川昂や鵜飼ら若手野手陣に直接アドバイス。清原氏は立浪監督の計らいに「本当にありがとう。今まで生きてきて良かった」とLINEで感激のメッセージを送信したほどだ。

 そんな清原氏が、12日の日本ハム戦(札幌ドーム)の5回攻撃前、波留コーチがベンチ前で自軍ナインらに強烈な言葉でハッパをかけたことに言及。「目っ覚ませ、もっとお前ら! いつまで甘えてやってんねん野球! その気でやらんかい、アホウ!」などと同コーチがゲキを飛ばした場面は、そのままテレビ中継で放送され、SNSなどで波紋を広げていた。

 奮闘する投手陣を打線が援護できず、大型連敗中だったことを踏まえ、清原氏は「若い選手はやられ続けると、どんどん気持ちが小さくなっていってボロボロになる。カーッと気合を入れたというのは僕は素晴らしいことだと思う。最初はびっくりしたかもしれないが、それをどんどん植えつけていけば戦う集団になっていく」と力説する。

 その上で「賛否両論あるかもしれないが、僕の意見としては野球界というのは『やるか、やられるか』。勝負の分かれ目というのは、どっちが強い気持ちを持っているか。僕は命をかけて打席に立っていた。150キロの球を打ち返そうとしたら生半可な気持ちではやられてしまう。やっぱりみんな生活がかかってやっている」と訴えた。

 波留コーチの言動についてこれまで立浪監督は「今のドラゴンズに、そこの部分が一番大事なこと。波留が円陣でそうやって気合を入れてくれた」と擁護しており、清原氏も「波留コーチは叩かれたかもしれないが、このまま波留コーチのスタンスでやってほしい。立浪監督も良いことだと言っているわけだし、僕はそれを全面的に支援していきたいと思います」と宣言する。

 中日は19日の巨人戦(バンテリン)に3―5で敗れたが、6連敗後は2連勝し、同カードの勝ち越しに成功。この巨人3連戦でいずれもラジオ解説を務めた清原氏は「ジャイアンツに勝てるというのは自信になると思う。僕はジャイアンツ出身なので原監督には大変お世話になったし、元木コーチもいるし、かわいい中田選手もいる。ただ、ジャイアンツには申し訳ないが、ドラゴンズ戦だけはちょっと勘弁してほしいですね」と今後も立浪竜を第一に叱咤激励していくつもりだ。