阪神は17日のDeNA戦(甲子園)に7―5で勝って4連勝。3位・広島にも1ゲーム差と肉薄し、Aクラス浮上が現実味を帯びてきた。

 主砲・大山悠輔内野手(27)が2打席連続となる15号ソロ&16号ソロをマークし、勝利に大きく貢献。試合前時点で防御率0・89と〝無双状態〟だったエース・青柳が6回4失点と打ち込まれるまさかの試合展開だったが、乱打戦を制する原動力となり、青柳にハーラー単独トップの8勝目をプレゼントした。

 5月は月間打率1割8分2厘とドン底の打撃不振に苦しみぬいた大山だが、6月に入ると12試合で打率3割8分6厘、8本塁打、20打点と絶好調。直近の甲子園での試合では4戦連続のヒーローインタビューとあり「もう話すことがありません(笑い)」とお立ち台で表情をほころばせた。

 そんな大山が常日ごろから感謝の言葉を送り続けているのが、新井良太打撃コーチ(38)。試合開催日の全体練習開始前から、マンツーマンでの早出練習に付き添い続けている同コーチは、大山の春先の不調の一因を「打撃フォームが正面に向き気味になり、打球方向が左翼方向に偏ってしまっていた。そこを突いて相手バッテリーに内角を攻め続けられたこと」と分析する。

「(大山の打撃結果が)良かったら彼の力。ダメだったら僕の責任」とあくまでも控えめな態度を貫く同コーチは、前戦での反省点や、その日の試合へのテーマなどを繰り返し話し合いながら、教え子を復調へ導いた。

 新井コーチは大山との早出練習で打撃投手役も務めており「(投手として)マウンド上から悠輔に正対することで見えてくるものも多くあった。『体の向きがアッチを向いているな』とかね」(新井コーチ)。

 大山の好調に歩を合わせるかのように、チームも6月は10勝2敗と白星街道を突き進む。背番号3の打棒爆発と、頼りになる〝打撃投手〟の二人三脚に今後も注目だ。