交流戦で6本塁打を放ち12球団最速で20号に到達した西武・山川穂高内野手(30)と、楽天・炭谷銀仁朗捕手(34)の注目対決が24日にも再開される。

 交流戦前、5月13日の西武戦(ベルーナ)でキング争いトップを独走する相手4番・山川に対し、楽天先発・滝中が3打席、12球連続でカーブを投じ、四球、空振り三振、三ゴロと封じた。
 極端過ぎる“カーブ偏重配球”はその後、他球団の「山川対策」として踏襲され、日本ハム・伊藤が「滝中さんの配球を参考にさせてもらった」と語るなど、交流戦を含め急速に他球団へと広がった。

 以来、山川は“カーブ地獄”と対峙することとなり、5月28日のDeNA戦(ベルーナ)で上茶谷のカーブを16号2ランした時は「さすがにカーブを待ちました。カーブは待ったらチャンスボールですから。今日は駆け引き(配球を)読んだ」と、してやったりだった。

 交流戦18試合での山川の成績は打率2割5分4厘、6本塁打、10打点、17三振。このところは極端な“カーブ偏重配球”こそ目立たなくなったが、これでこの一件が落着するかどうか。偏重配球の考案者・炭谷は「いい打者はその3連戦だけでなくシーズンをトータルでどう打ち取るかが重要」をリードの信条としているからだ。

 西武ナインの一人は炭谷を「ウチがどういう野球をするのか、また一人ひとりの性格をギンさんは把握している。この打者はこの場面で長打は狙わない、追い込まれたらどういう(狙い球の)絞り方をしてくるとか、それを分かられていることが嫌。中にいないと分からない情報、データに出ないデータを持っている」と警戒する。

 山川に対しては緩急を使ってストライクゾーンをより立体的に、前後で崩していこうというのが基本スタンス。なにより、極端なリードで山川の意識が投手よりも捕手に向けば、炭谷の思うツボということになるが…。