楽天・田中将大投手(33)が7日の広島戦(楽天生命)に先発し、8回91球、7安打3失点(自責2)と力投するもチームは1―3で敗れ、自身4連敗で今季5敗目を喫した。

 相手先発・床田との投手戦となったが、5回に4長短打を集められて先に2点を献上。8回一死一、二塁から味方の送球ミスで併殺を奪えず追加点を許し、この回限りでマウンドを降りた。

 これで今季登板10試合のうち、クオリティースタート(QS、6回以上を自責点3以下)は1完封を含む9試合。直近3戦連続QSながら、いずれも黒星続きで5勝目が遠い。ただ、防御率は1・99で1点台をキープ。WHIP(1イニングあたりの平均走者数を示す数値)は0・94だ。

 好投してもなかなか白星に結びつかない流れは昨季と酷似している。それでも試合後は投球内容について「良かったですよ。どの球種でもしっかり投げれていた」と冷静に自己分析。「いいコースに投げようが甘くなろうが、バットに当たった後のことは分からない。どっちがどっちでも打たれることもある。自分にとっての一番はツキがなかったです」と続けた。

 そして結果に関しては「しょうがない。自分がいいフィーリングで投げられるように。勝とうが負けようが…方向は変わらない。そこはブレずにやっていきますよ」と泰然自若を貫いた。

 そんな田中将にチーム内からは「本当に頭が下がる」との声が飛び交う。「これだけ好投しているのに勝てなければ並の投手なら多少イラついたりするはず。でも今まで一切そういう姿を見せたことがない。その強い精神力を間近で見ながら、他の選手たちも『将大さんを見習わなければいけない』と口々に言い合っている」(球団関係者)

 チーム内で模範となる田中将の存在と役割は大きい。