巨人の新助っ人、アダム・ウォーカー外野手(30)が飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 4日のロッテ戦(東京ドーム)も「2番・左翼」でスタメン出場。チームは5回まで相手先発の佐藤奨にわずか1安打に封じられた。なかなか次の一本が出なかったなか、快音を響かせたのがウォーカーだった。6回の第3打席では、二死から四球で出塁した丸を一塁に置いて97キロの超スローカーブを左翼へ運んだ。

 ただ、相手左翼手が三塁に送球した隙を狙って二塁を目指したものの、あえなく一二塁間で挟まれてタッチアウト…。手痛い走塁ミスで、無得点のまま攻撃終了となってしまった。

 しかし、ウォーカーにはこのままでは終わらない〝何か〟がある。悔しさを我慢できなかったのか、グラブを手でバーンと叩き、次に巡ってきた8回の第4打席は2番手の小野から右中間へ二塁打。5安打ながら2―1で勝利したチームにあって、唯一マルチ安打をマークした。

 前夜(3日)の同戦では5打数3安打を放ち、ついに規定打席に到達。「素直にうれしい。少しでも貢献できているのならば、それは幸せなことだよ」と語っていたが、勢いは衰えなかった。

 この日を終えて打率は3割1分3厘まで上昇し、リーグ全体でも3位。一方、2日までチームのリーディングヒッターだった吉川はこの日、3打数無安打で3割1厘まで降下(リーグ4位)した。チーム内の〝首位打者争い〟でまた一歩突き放した格好だ。

 11本塁打に29打点で、課題の守備も亀井外野守備走塁コーチの熱心な始動もあって、日に日に改善。推定年俸3400万円の〝格安助っ人〟が存在感を増している。