初白星を挙げたとはいえ、今後は大丈夫なのか。チーム内外からそんな不安をささやかれているのが1日のDeNA戦(横浜)で来日初勝利を挙げたオリックスの新助っ人、ジェイコブ・ワゲスパック(28)だ。

 来日1年目右腕はこの日序盤から身長198センチの長身を生かした直球と多彩な変化球で相手打線を圧倒。5回を3安打1失点に抑える好投を見せ、今季6度目の先発でようやく来日初勝利を挙げた。だが、この1勝で喜んでばかりもいられない。ワゲスパックは投球フォームに大きな〝弱点〟があるからだ。

 すでにパ・リーグ球団は把握済みだが、この右腕は「クイックモーション」が大の苦手。塁上に走者を置くと突如投球が乱れることが珍しくない。この日も5回一死まで無安打投球も、大和に安打を許して走者を置くとそこから3連打で1失点。相変わらずの「脆弱性」をのぞかせた。

 しかも投球動作が極端に遅いため簡単に盗塁を許すこともしばしば。5月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)では降板する5回までに計5盗塁を許す屈辱を味わった。そんな右腕だけにオリックス首脳陣もワゲスパック登板時はヒヤヒヤ。この日、余力を残しながらわずか75球で救援陣にマウンドを託したのも首脳陣の思いの表れだろう。

 本人は試合後、来日初勝利について「正直とてもうれしい。これからももっと勝っていきたい」と笑み。今後についても「(オリックスは)とてもいいチームですし、とてもいい環境でやらせてもらっている。できるだけ長くこのまま(オリックスで)投げていきたい」と意気揚々と語っていたが…。願いどおり日本で息の長い助っ人として活躍できるのか。