中日・小笠原慎之介投手(24)が注目された楽天・田中将大投手(33)との甲子園V腕対決を制し、今季3勝目をゲットした。

 31日の楽天戦(バンテリン)に先発し、109球を投げて7回4安打無失点の好投を披露。「先に点を取られると、流れも来そうな時に来なくなるケースも多くなる。何とか先に点を取られない気持ちと、相手の投手よりも長くマウンドに立っていられるように、という気持ちで今日は投げた」と心地良さそうに汗を拭った。

 立浪監督は「尻上がりに真っすぐに力が出てきたし、ここ最近は追い込んでから甘い球が打たれるケースが多かった中で、今日は7回までですけど、最後まで素晴らしく、粘りもありましたし、いい投球をしてくれた」と目を細めた。

 この日、小笠原が発奮した裏に立浪監督のゲキがあった。前回24日の西武戦(バンテリン)では、初回の3失点を含む4回途中8安打6失点と炎上。今季は先制点を奪われるケースが多く、せっかく追い込みながら甘い球を痛打されていた。そこで指揮官は「前回に『同じことを繰り返すな!』と怒った。練習からここに投げるんだという意識を高めるように」としかったことを明かす。

 小笠原は「割り切って、無駄球はボールボールでもいいと思いながら。厳しいところに投げていいと思いながら投げた。今日は小深田選手(2安打1四球)くらいですね、良くなかったのは」と納得の投球となった。

 試合前に田中将について「雲の上の存在。向こうの方がスーパースターですから。僕はたいしたことない。試合が終わって『自信になりました』『いい勉強になりました』と言えるように投げたい」と言っていたが、登板後は「ここという時に絶対に間違えないので、さすがだなと思ったし、絶対に直球は低めに集まっていたし、レベルが全然違うなと改めて思った」と最敬礼する。

 さらに打席に立ったことで「あそこで球を見られたのが一番の収穫。変化球もキレッキレだし、真っすぐも横から見たらめちゃくちゃ速いし、ひと言で言ったらすごいとしか言いようがない。実をもって肌で感じて体験できたので、今日は良い試合だった」と目を輝かせていた。